10/2 ダンス保育園 ! ! @スパイラルホール

 
 
 
 
DANCE NEW AIR 2016 連携企画
 
ダンス保育園 ! !
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子どもを育てながらエネルギッシュに活動するアーティストと、子育て中も芸術鑑賞をあきらめたくない人を応援する、新しいプラットホーム「ダンス保育園 ! !」。
イベント託児マザーズと連携し、上演時間や幕間に子どもたちを預かるキッズスペースで、珍しいキノコ舞踊団のダンサー篠崎芽美ほか、自身も子育て中のアーティストたちによる多彩なパフォーマンスやワークショップが繰り広げられます。
空間構成は二児の母の建築家・永山祐子。軽いブロックや蚊帳のテントの組合せで、キッズルームとアートスペースが緩やかにつながります。
「ダンス保育園! !」は、未来の社会が求める新しい複合型スペースのひとつのモデルケースとして開催されます。
 
 
 
ダンス保育園 ! ! 
 
 
日時:2016年10月2日(日)12:00〜20:00
   
会場:DANCE NEW AIR 2016 
スパイラルホール・ホワイエ
 
主催:ダンス保育園 ! ! 実行委員会
 
企画:住吉智恵(TRAUMARIS アートプロデューサー)
 
空間構成:永山祐子(建築家)
 
演出・振付・出演:篠崎芽美(珍しいキノコ舞踊団)
 
参加アーティスト:
康本雅子(ダンサー・振付家)、
ダンス保育園 ! ! ダンサーズチーム
ほか
 
制作:TRAUMARIS、合同会社キノコノキ
共催:イベント託児マザーズ
助成:アーツカウンシル東京
協力:Dance New Air
 
 
 
参加アーティスト
 
 
篠崎芽美
 
ダンサー・振付家/珍しいキノコ舞踊団
 
珍しいキノコ舞踊団ダンサー。主に独学で身体表現を磨き、高校在学中に珍しいキノコ舞踊団に初参加。大学卒業後に再びキノコに参加しその後の全作品に出演している。また並行してソロ活動 も行っており、2010年にはソロ作品『ウェルダン』をリトルモア地下にて発表。そのほか「長嶋五郎(ゴンゴン)展」(リトルモア地下)、「青山健一展」(TRAUMARIS)などでさまざまなアーティストとコラボレーションも行っている。Balanced Body認定ピラティスマットトレーナー。2014年に出産。以降、子供や親子に向けたWSにも取り組んでいる。
www.strangekinoko.com
 
 
 
 
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                photo: Yota Kataoka
 
 
 
康本雅子
 
ダンサー・振付家
 
主に舞台・映像作品での振付、出演を経て『絶交わる子、ポンッ』(2012年)を期に福岡へ移住。以降は企業とつくるダンスや小学校の特別授業、市民を対象にしたワークショップなど、地域に根ざした活動に関わる。2015年からは京都に在住。 二児の母。http://yasumotomasako.net/
 
 
 
 
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ほか
絵画や彫刻のワークショップ(調整中)
一日写真館(調整中)
 
 
 
空間構成
 
 
永山祐子
 
建築家
 
1975年東京生まれ。昭和女子大学生活美学科卒業。1998〜2002年 青木淳建築計画事務所勤務。2002年永山祐子建築設計設立。主な仕事として「LOUIS VUITTON 京都大丸店」、「丘のある家」、「ANTEPRIMA Singapore ION店」、「カヤバ珈琲」、「SISII PRESSROOM」、「木屋旅館」など。ロレアル賞奨励賞、JCDデザイン賞奨励賞、AR Awards(UK)優秀賞、Architectural Record Design Vanguard 2012(USA)、JIA新人賞などを受賞。京都精華大学、昭和女子大学、お茶の水女子大学、名古屋工業大学などで非常勤講師を勤める。 
http://www.yukonagayama.co.jp/
 
 
「ダンス保育園 ! ! 」は、軽くて丈夫な「壁ブロック」と半透明の「カヤの小屋」を使った、毎日つくりかえていくことができるスペースです。
 
ベーシックプランでは会場に軽い発泡スチロール製の「壁ブロック」を並べ、緩やかなフィールドを作ります。
「カヤの小屋」(テント、ティピー)はいくつか種類があり、ここで乳幼児を寝かせたり、授乳したりすることができます。また子供の遊び場になる小屋や、イベントやワークショップ等、色々な使い方を考えることができます。
 
 
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ステージプランでは「壁ブロック」を動かすことでフィールドのかたちを変えることができます。「ダンス保育園!!」のダンサーやアーティストは、小屋やブロックの合間を縫って踊ります。動かした「壁ブロック」は客席とステージの間仕切りや机として使われます。
 
 
 
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ワークショッププランでは「壁ブロック」を島状に置くことで、いくつかのワークショップやイベントを行うことができます。最初の状態は白い「壁ブロック」と白い「カヤの小屋」でできた、真っ白な空間です。そこに子供たちが絵を描いたり、洗濯バサミをくっつけたりすることで、徐々にカラフルに色づいていきます。
 
 
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「ダンス保育園!!」は誰にでも組み立てられる構造を考えています。
そのために2つの材料を考えています。
「壁ブロック」は発砲スチロールでできています。
規格サイズの発泡スチロールを等分に切って「壁ブロック」を作ります。「壁ブロック」を組むことでいくつかのユニットができます。このユニットを好きなかたちに置くことで緩やかなフィールドを作ります。
「カヤの小屋」(テント、ティピー)は蚊帳の生地でできています。
蚊帳は軽くて丈夫なので、組み立てや解体がとても簡単です。少し骨組みを工夫すれば、様々なかたちのあずまやを作ることができます。
この2つの材料を使ったスペースはとても簡単に作ることができます。
まず会場全体にパンチをひきます。
次に「壁ブロック」を並べて「カヤの小屋」を組み立てます。「壁ブロック」は軽いので、小学生でも運ぶことができます。
イベント期間中、遊んでいる子供たちやワークショップによって、「壁ブロック」や「カヤの小屋」がカラフルになっていきます。終了後は、そのまま解体をして、発泡スチロールはリサイクルへ、蚊帳は保育園や家庭で再利用されます。

 

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緩やかにつながるフィールドでは、様々なイベントが誘発されると考えています。

例えば、広々としたフィールドを使って、親子でダンスをするワークショップが開催されるかもしれません。白い「壁ブロック」や「カヤの小屋」にペイントするワークショップも開催されるかもしれません。ほかにも飛び込みのマジックショーや、子供たちが考えた秘密基地が作られるかもしれません。
 
「ダンス保育園!!」ではダンサーやアーティストたちがパフォーマンスを演じるステージと、一時託児サービスに合わせて、ステージのまわりの人やイベントと緩やかにスペースを共有していくことができます。
 
*今回はスパイラルホール・ホワイエの空間に合わせたパイロット版のデザインとなります。

 

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一時託児サービス
 
 
イベント託児Mother’sにご協力いただきます。http://www.mothers-inc.co.jp/
イベント託児とは、観劇やコンサートの間、子どもを預かるサービスです。
歌舞伎座や新国立劇場などの劇場、国立新美術館などの美術館、チケットサービス機関といった各所と提携して、芸術文化施設が託児費用の一部を負担することで、子どもを持つ鑑賞者の来場を促すサービスを初めて提案し、多くの親子に利用されています。
創業18年、登録スタッフ約200名、無事故という実績を持っています。
 
 
 
企画の経緯とこれから
 
 
いま、子どもを育てながら仕事をする母親や父親にとって「保育」はますます切実な問題になっています。アーティストの中にも、創作と育児をどちらもあきらめず、活動を長期間中断することなく、何とか両立しようと頑張る人たちが増えてきました。
 
常日頃、ダンスや演劇、ヨガやピラティスなどのスタジオと、保育のスペースは、実は親和性が高いのではないかと感じていました。朝から夜までたえず人が出入りし、しかもそこにいるのは並はずれて身体感覚に対して意識の高い人たちです。ハイハイする赤ちゃんと同じくフロアに基づいた目線で、おたがいの身体の声に耳を澄まし、見守っている人たちなのです。それは小さな子どもが育つ環境として、豊かな可能性を持っているのではないかと考えました。
 
そこでこの度、ひとつのモデルケースとして「ダンス保育園!!」を提案します。
ダンサーやアーティストたちがパフォーマンスやライブペインティングを演じるステージと、一時託児サービスやワークショップを行う小屋やフィールドが、緩やかにスペースを共有します。
 
企画者自身は子どもを育てた経験はありませんが、もちろん育てられた経験ならあります。
母子家庭に育った私にとって、最古の記憶は、2歳で保育園に預けられ、ベビーベッドの柵の間から見た風景です。当時は保育所を利用するお母さんが少数だったからでしょうか、ほとんど寝かされていただけで、楽しい思い出はありませんでした。
 
その後、祖父母や母、叔母叔父、いとこたちと一緒に暮らすようになってからは、瞬間最大9人の3世代家族の中で育ちました。2つの対照的な環境を経験して知ったのは、多様な人たちのいる環境で暮らすことの安心感や生活の工夫でした。(もちろんそれ以上にやっかいなこともたくさんありましたが!)
 
劇場や美術館に来られる方々には小さな子どもを連れた家族がたくさんいます。あやしながらの鑑賞は落ち着かず集中できないでしょう。長時間抱っこしながら立ちっぱなしは疲れるでしょう。時には大人だけでじっくり楽しむ時間がほしい人もいるでしょう。
また出演するアーティストたちも、もし子どもを安全に預けられる場所が会場近くにあれば、ストレスなく活動に集中できるはずです。
 
「ダンス保育園!!」は実験的なプラットフォームとして、まずは小さな規模でスタートします。今回、10月2日「DANCE NEW AIR2016」での試みでは、定員数の鑑賞者のお子さんと、参加アーティストや関係者の子どもたちをお預かりします。
 
いずれはこのモデルケースが、社会が求めている新しい業態の施設やサービス、あるいは働きかたの提案へとつながることを企図しています。
新しい家族の未来形でもあるこのイメージを共有して、ご賛同いただければうれしいです。
 
 
ダンス保育園!!実行委員会 代表
アートプロデューサー
住吉智恵(TRAUMARIS)