2013年11月アーカイブ

 

 

 

牛島孝展 「水月」


2013年12月11日(水)〜12月28日(土)
オープニング:12月12日(木) 18:00〜22:00
会場:TRAUMARIS|SPACE(恵比寿NADiff apart 3F)

 

 

 

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TRAUMARIS|SPACEでは、神奈川出身、石川県金沢在住の
美術作家・牛島孝(1980年生)の新作展を開催します。

 

 タイトル「水月」とは、月が映るほど静かな水面、転じて
 鑑賞者自身の心や環境、社会状況などを映す鏡のような画面
 を意味しています。
 『掬水月在手 弄花香満衣』 (みずをきくすればつきてにあ
 り はなをろうすればかえにみつ=両手で水を掬うと夜空の月
 が手の中の水に映り、花を手折ると香りが衣にしみるほど満ち
 てくる)という禅語があります。
 水に映った月のように、有でもあり、無でもある、相反する 
 要素が同居する、ものの捉え方ができる絵を目指して描いて
 います。あえて多様な捉え方ができるようにすることで、心
 がとどまる場(住地-じゅうち)を作らず、「心の漂う間」
 をつくりだす。「間」は満ちていることで成立すると考えます。
 (牛島 孝)


牛島は、金沢美術工芸大学日本画専攻を卒業後、金沢を拠点に制作を行っています。
初期の作品以来、板に和紙を貼ったパネルに、金沢の伝統工芸である金銀やアルミの薄い箔を施し、即興的で軽やかな線描と、岩絵の具特有の渋いモスグリーンや芥子色により、室内や庭などの断片的情景を描いてきました。

近年では、石庭の配置を決めるように、緊張感のある間合いでモチーフを配し、より抽象化された構図が際立っています。
華やかな金箔や銀箔に加え、仄かにぎらりと煌めく、燻し銀の黒箔がほどこされ、限りなく要素を削ぎ落とした画面には、より一層の深みが生まれました。

また牛島が常にそこにしっとりと効かせているのが、黒という色。
19世紀の画家・ルドンの版画を思わせる「漆黒」です。
見る角度により、ときに煌めきを帯び、ときに光を吸い込む、漆黒のケムリが陽炎のように立ちのぼります。

古都で培った伝統的な日本画や書の技法と、1980年生まれの作家の瑞々しい眼差しが映し出すその世界は、月明かりに冴え冴えと浮かび上がる坪庭のような親密さで鑑賞者に語りかけ、「心の漂う間」を醸成するのです。

本展示は、箔を使用したパネル貼りの作品を中心に展開し、近年試みている水墨作品2点も発表いたします。

また同時期に国立新美術館(六本木)で開催される「シェル美術賞 アーティスト セレクション(略称SAS)」に出展しております。「シェル美術賞」の受賞・入選作家から、今後の活躍が期待される作家を4名選出し、新作・近作が展示されます。

 

TRAUMARIS アートプロデューサー・ライター
住吉智恵

 


●   プロフィール


牛島孝 Ushijima Ko

 

1980 横浜生まれ

1999 愛知県立旭丘高等学校美術科卒業

2003 金沢美術工芸大学日本画専攻卒業

 

■主な個展

2009.11「余映 afterglow」 耕雲庵(茶室) (金沢)

2009.10「余映 afterglow」 GALLERY SIDE2 (東京)

2008.5 「陽炎 mirage」 GALLERY SIDE2 (東京)

2007.1 「箱庭-風景Vol.3」 INFORMgallery (金沢)

2006.11 「むくりこくり」WALL(東京)

2006.2 「盆景」 INFORMgallery (金沢)

2005.10 「たゆとう」 SQUAT(東京)

2005.7 「たゆら」WALL(東京)

2005.6 「箱庭」 INFORMgallery (金沢)

2005.4 「泡のそこ」Gallery unseal (東京)

2004.10「空白」ARTBOOK Arteria(東京)

2004.8「からっぽ」HBgallery(東京)

2004.5「原っぱ」INFORMgallery (金沢)

2003.2「重い泡」INFORMgallery (金沢)

2003.1「重い泡 牛島孝展」 金沢市民芸術村(金沢)

2002.6 さばえ現代美術センター(鯖江)/GALLERY G2 (福井)

 

■主なグループ展

2013.2 損保ジャパン美術賞展

    FACE 2013(東京)

2009.5「SIDE 2 Collection」GALLERY SIDE2 (東京)

2007.11「シェル美術賞展2007」代官山ヒルサイドフォーラム(東京)

2005.6「群馬青年ビエンナーレ‘05」群馬県立近代美術館(高崎)

2005.2 「第10回リキテックスビエンナーレ入選作品展」スパイラルガーデン(東京)

2003.9 「第21回 一坪展」ガーディアン・ガーデン(東京)

2003.7 「群馬青年ビエンナーレ‘03」群馬県立近代美術館(高崎)

2002.12「ホ コ リ」アートドラッグセンター(犬山)

2002.3 「微のあいだ」INFORMgallery (金沢)

2000.4「豪華粗品」金沢市民芸術村(金沢)

 

■受賞

2012.4 「第5回アーティクル賞」審査員特別賞ミヤケマイ賞

2007.11「シェル美術賞2007」本江邦夫審査員奨励賞

2003.12「HB FILE COMPETITION 2004」大賞(副田高行賞)

 

■文献

2009.7  JET ,VOL.83,p.192-193(香港)

2008.5 “The last spring splash of galleries”The Japan Times 2008年5月29日 21P

2006.11 「牛島孝展 むくりこくり」,芸術評論誌【リア】、no.15

2005.5 「気鋭の装幀家が選ぶ「新人」18」、イラストレーション、no.153 2005年5月号

2005.1  “soeda’s favorite”,hinism,vol.3

 

■パブリックコレクション

aquaignis (三重)

 

●「シェル美術賞」本江邦夫審査員長 推薦コメント

紙や絹の支持体に、細かく砕かれたさまざまな彩(いろど)りの鉱物やそれに類するものを膠で定着させていく―日本画とは本来かなり強引な描法であり、油絵と比べると技術そのものの習得にも時間がかかります。表現もおのずから花鳥風月を主とした定型に終始しがちで、これが日本画すなわち因習的であるとの誤解を招いています。ところが日本画の物質性に注目すると、これほど過激で現代的な媒体はなかなか見あたらないのです。牛島孝さんの、ほとんど実存主義的と言ってもいい、徹底的に断片的かつ物質的な、その意味で斬新かつ犀利な描写の根底には日本画のそうした強靭さがあるのです。


● 会場:

TRAUMARIS|SPACE
〒150-0013 渋谷区恵比寿1-18-4
NADiff A/P/A/R/T 3F 
TEL 03-6408-5522 
月曜休 火〜土16:00-24:00(日曜14:00-22:00)

URL:http://www.traumaris.jp
info@traumaris.jp

 

 

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TRAUMARIS創業10周年記念イベント
第1弾!!
 
 
ブラックベルベッツ ライヴ!
 
 10年たっても小粋なボーイズ、
 リターン・トゥ・TRAUMARIS!
 
 
 
 
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日時:12月4日(水)
   19:30開場 20:00開演
 
チャージ:3,000円(2 Drink付き)
 
出演:BLACK VELVETS
   田中邦和(ts) テラシィイ(g) ヲノサトル(key) 山口とも(perc)
 
 
12月4日(水)ひさびさに、“クールでデラックスな、
魅惑のムードバンド”ブラックベルベッツが登場〜! 
西桐玉樹展「Polyphony」の会期中、
TRAUMARIS創業10周年記念イベントの第1弾です。
あの脱力と気まぐれの名演奏をふたたび!おみのがしなく☆ 
 
 
ブラックベルベッツ:
 
田中邦和(ts) テラシィイ(g) ヲノサトル(key) 山口とも(perc)
 
2003年結成。なぜか今どき「魅惑のムード音楽」を
演奏するクールでデラックスな楽団。
ジャズ、ラテン、歌謡曲からアニメソングまで、
ありとあらゆるスタンダード・ナンバーを
独自のアレンジで人力演奏。
デビューから5年、かつて六本木・芋洗坂にあった
アートバー、TRAUMARISをホームグラウンドとし、
極小空間でのクリスマスディナーショウなど
数々の名ステージが噂を呼んだ。
 
公式ブログ:http://yaplog.jp/blackvelvets/
 
動画:http://t.co/ZHE5sqL1hH
 
Facebook:https://www.facebook.com/bvnews
 
https://www.facebook.com/events/174117739451333/?notif_t=plan_user_joined