2011年9月アーカイブ

 

 

 

企画展「自由について」 

 

出品作家:春木麻衣子 狩野哲郎 三嶋安住 

企画:住吉智恵(TRAUMARIS アートプロデューサー・ライター)

会期:2011年10月13日(木)~11月27日(日)

オープニング 10月21日(金)18:00-22:00 *リニューアル1周年感謝祭を同時開催。


アーティストトーク:


11月4日(金)  20:00-
春木麻衣子(写真家)
三嶋安住 代 三嶋りつ恵(ガラス作家)
ゲスト:三田村光土里(アーティスト)
テーマ:「自由に生きるための表現」(仮)

11月13日(日) 18:00-
展示作家 狩野哲郎(アーティスト)
ゲスト:東野晃典(元野毛山動物園、現ズーラシア獣医)

テーマ:「なぜ鳥は人を気にしないのか?」(仮)

*いずれも1ドリンクオーダーをお願い致します。

 

 

「自由について」という、ナイーヴなタイトルの展覧会をします。

ここ数年、とくに3.11の震災の後、とても関心があるテーマです。

 

自由とは何でしょう?

これだけ多様化した、野放図な、「何でもあり」の

足枷なき世の中になると、

みんながふわふわと重石を失った気球のように浮遊して、

自由の意味がよくわからない。

 

では、人間は抑圧から解放されて初めて自由なのか?

たとえば1960年代、若者が政治や社会の抑圧に抵抗した末、

無軌道な自由が横行し、ヒッピーたちはフリーセックスに、

ドラッグに、神秘主義に耽溺し、当たり前の幸福さえも

退屈に成り下がった。

反骨と倦怠の時代の放埒の自由は、

魅惑的なカウンターカルチャーと共に、

現代まで尾を引く、拠りどころのない頽廃の余韻を残していった。

 

自由は不自由のはじまりだ。

前はできていたことができなくなり、

行かれたところに行けなくなり、買えた物が買えなくなる。

(震災と原発事故の後、私たちはこれを経験している) 

もしこれを不自由というのなら、

最初から持たざる者、動かざる者がもっとも自由なのだろうか。

(断捨利ブームはその短絡的な解釈の例だ)

 

軽く縛られているくらいが自由、という人もいるが、

そんな自由はいやだ。

がんじがらめの閉塞した状況から逃げだすことも1つの自由か? 

いや、自分自身を何らかの呪縛から解放しようとするとき、

「逃げる」という自覚が意識上になければ、それは自由なのだろう。

「自由とは手放すことを恐れない勇気を持つこと。

それは心の中だけにある」と言った友人もいた。

 

今ほど「自由」を意識した時代は、久しくこの国ではなかった。

その現代に生き、立脚点を異にする、4人の作家に焦点を当てる。

 

自由な視点を獲得するため、自らを不自由な条件下に追い込むもの。

閉塞した人間社会とは別の水脈に、新しい水場を作ろうとするもの。

自意識のシェルターから世界を眺め、日々たゆまず絵を描くもの。

歴史のタイトロープを、空っぽの虚心で渡りきろうとするもの。

かれらの試みは秀作を産み、いまもその途上にいる。

 

いつかは消えるのだから、この世に生きているかぎり、

自由な空気を吸い、踊って、歌っていたいという、

野の鳥のシンプルな望み。

そのささやかな「自由意思」を持って生きるために、

人は周囲の環境、自身の態度、技術を磨き、ととのえる。

私たちはときにそれを芸術家の所作に倣うこともあるのだ。

 

TRAUMARIS アートプロデューサー・ライター

住吉智恵


 

●出品作家プロフィール:

 

春木麻衣子 Haruki Maiko
 

 

haruki_002

「neither portrait nor landscapeⅡ 1A」2011 type C print
 (c)Maiko Haruki Courtesy of TARO NASU gallery
 


過剰露光による深い暗がりやあふれる光のなかで、目を凝らさないと見えないほど微かに息づく、街路、美術館、聖堂、通行人などの影や気配を撮り続ける。既視感や先入観を取り外した、独自の距離感でとらえた都市と人のポートレートは、「過不足なく見ること/深く知り合うこと」の不自由さや不安定さから跳躍し、潔く、繊細で、強かな後味を残す。写真という不自由な枠組みのなかで、あえて絵画的ともいえる表現方法を選択し、自分自身が見たい世界を自由につくりだすことを追求している。

1974年茨城県生まれ。玉川大学文学部芸術学科在学中の1995-1996年、Goldsmiths College, University of London 交換留学。現在、世界各地で制作.活動。主な個展:2010年「possibility in portraiture」TARO NASU、2007年「伍」太宰府天満宮、2006年「●○」NADiff、など。主なグループ展:2009年「neoneo展Part2 [女子]」高橋コレクション日比谷、2008年「Asian Dub Photography」FONDAZIONE Cassa di Risparmio di Modena、2007年「六本木クロッシング2007:未来への脈動」森美術館(特別賞受賞。審査員:伊東豊雄)。

 

 

狩野哲郎 Kano Tetsuro

 

 

2010_03_14_6480_s.jpgのサムネール画像

Tetsuro Kano, Naturplan (2010), installation, dimensions variable,
Courtesy of the artist

 

鳥や小植物をとりこんだ空間、あるいはさまざまな植物の種子を展示空間に蒔き、成長を見守るインスタレーション、通過した路傍の雰囲気の収集を試みる写真シリーズなど、滞在型制作で近年注目される。東京都現代美術館(前庭)での大型パヴィリオンに鳥を放つ作品とあわせ、本展では、半屋外の空間に、近隣に生態系をもつ鳥のための回廊を制作する。最近、狩猟免許(網、罠)取得。
1980年仙台生まれ。色々なところ育ち、東京在住。2007年東京造形大学大学院造形研究科修了。滞在制作/レジデンス:
2011年 かれいざわ・アーティスト・イン・レジデンス
2010年 秋吉台国際芸術村 アーティスト・イン・レジデンス 2010年 国際芸術センター青森、アジア・アーツ・リンク、アジアン・アーティスト・エクスチェンジ・レジデンシー・プログラム、安養市、韓国、ヨコハマアパートメント、横浜市ほか多数。主な個展:2011年 東京都現代美術館(前庭)、「あたらしい回廊/Anonymous corridors」waitingroom、2010年「魔術的な小道/Magical paths」project room sasao、秋田市、「自然の設計/Naturplan 鳥がいる庭 庭にいる鳥」実験スペースムーンハウス(ヨコハマアパートメント1F)。

同時開催:東京都現代美術館(前庭)「ブルームバーグ・パヴィリオン・プロジェクト#1 自然の設計 狩野哲郎展」開催。10月29日(土)~11月27日(日)

 

2010_09_01_9814_s.jpg

Tetsuro Kano, Naturplan (2010), installation, dimensions variable,
Courtesy of the artist

 

 

三嶋安住 Mishima Anju

 

L1005916.jpg

 

彼の絵は絵では無く、行為の表現です。ペンを動かすリズムが振動となり、深くに眠る点をひろいあげる。その点がシミとなり、影となり物語は動きはじめる。
(三嶋りつ恵)


三嶋安住の絵のタイトルは、その語感や言葉の組立がどこか目や耳に馴染みにくい響きをもっているので、それを読んだり口にすると肌が粟立つことがある。しかし絵はどれも明快で最後まで描ききっていて清々しい。そこでもう一度タイトルを見直すと“ああ、これでよかったんだ!”と先ほどの違和感が嘘のように納得してしまう。これは絵とタイトル(言葉)が極めて自然な関係をつくっているからで、三嶋安住の場合、絵と言葉のどちらからも往き来できる水路を互いの岸辺に向けて通わせている。(O-JUN)  
 

1990年ヴェネチア生まれ。ヴェネチア美術高等学校で1年を過ごし、2005年から東京に移住。2011年より母であるガラス作家・三嶋りつ恵と共に京都に拠点を移す。生まれながらに持つ難聴と自閉症という2つのキャラクターから湧きあがるモチベーションから、子供の時から日々たゆまず、決まった時間に、絵を描き続けている。

2011年個展「そのまま」アトリエ・アンジュ。

 

L1005913木の実の茂み.jpg

 
 
 
 

●会期中のイベント:

 

10月29日(土)

タケヤアケミ 震災リベンジ パフォーマンス

 

11月26日(土)

Kiiiiiii 座りコヨーテ ライヴ

 

 

参考資料:

 

ブルームバーグ・パヴィリオン・プロジェクト#1

「自然の設計」狩野哲郎展 10月29日(土)~11月27日(日) 

2010_03_14_6477_s.jpg

基本情報

休館日月曜日、年末年始 

*その他美術館の休館日・展示替え期間の日程に準じます。

公開時間:火曜日~日曜日 10:00-18:00 

観覧料:」無料(どなたでも自由にご覧頂けます)

主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館

協賛:ブルームバーグL.P.

会場:東京都現代美術館 パブリック・プラザ

 

ブルームバーグ・パヴィリオン・プロジェクトについて

 

「ブルームバーグ・パヴィリオン・プロジェクト」は、東京都現代美術館敷地内に建てられたパヴィリオンを舞台に、一年間に渡って東京在住の若手アーティストの個展や公募展、パフォーマンス・イベントを開催していくプロジェクトです。

 

関連展示としてミュージアムショップ横の曲面の壁に
写真のシリーズ「Studying about something」の中から
鳥に関連するものを30枚選んで
インチサイズの白い額に額装し、展示します。

L版30枚セット、デジタルCプリント(マット仕上げ)、
ハガキサイズの蝋引き紙箱入り、ed.100、予価¥3,000

MOT THE SHOPと恵比寿のナディッフで販売予定。

 

「豚バラ肉のスタミナ丼 
 コチュジャン風味・ナムル添え」
 1000円

 

 

 タマネギたっぷりドライカレー

 (小)500円

 (大)1,000円


 

FOOD

 

ひよこ豆とオイルサーディンの和え物 500円

自家製チーズのみそ漬け 500円

ミックスナッツ    500円

自家製ケークサレ(一切れ) 300円

自家製もちもちポンデケージョ(5個)500円

 

DRINK

ブラックベルベット 1000円

(ギネス&シャンパンのカクテル)

白ワイン      500円

赤ワイン      500円

スパークリングワイン500円

生ビール      500円

アサヒ黒生     700円

ギネススタウト   900円

焼酎(芋、麦、黒糖)500円

ウィスキー 各種700円から

ホットワイン    600円

ジン      500円から

ラム酒     500円から

ウォッカ      500円から

自家製ジンジャエール  500円

フルーツジュース   500円

ジャスミン茶/烏龍茶  500円

アールグレイティー  500円

ほうじ茶       500円

コーヒー、カフェラテ 500円

ココア        500円

ハーブティー     500円

 


夏のリクエスト特集 その1
 

牛しゃぶエスニックそうめん

オクラとトマトのソテー添え
 

1,000円

 

タマネギたっぷりドライカレー

(小)500円

(大)1,000円


 

FOOD

 

ひよこ豆とオイルサーディンの和え物 500円

自家製チーズのみそ漬け 500円

ミックスナッツ    500円

自家製ケークサレ(一切れ) 300円

自家製もちもちポンデケージョ(5個)500円

 

DRINK

ブラックベルベット 1000円

(ギネス&シャンパンのカクテル)

白ワイン      500円

赤ワイン      500円

スパークリングワイン500円

生ビール      500円

アサヒ黒生     700円

ギネススタウト   900円

焼酎(芋、麦、黒糖)500円

ウィスキー 各種700円から

ホットワイン    600円

ジン      500円から

ラム酒     500円から

ウォッカ      500円から

自家製ジンジャエール  500円

フルーツジュース   500円

ジャスミン茶/烏龍茶  500円

アールグレイティー  500円

ほうじ茶       500円

コーヒー、カフェラテ 500円

ココア        500円

ハーブティー     500円

 

 

タケヤアケミ

震災リベンジ!パフォーマンスライヴ

 

10月29日(土)

 


c)Tanja Tomic.jpg

© Tanja Tomic

 

 

1991年よりウィーンを拠点に活動するタケヤアケミが

フェスティバルトーキョー招待公演、ジェローム・ベル演出

「ザ ショー マスト ゴー オン」出演等のために帰国。

TRAUMARISでは、昨年の福岡ユタカらとの「3匹の裸の猿の夜」に続き、

震災の夜に予定していたパフォーマンスを急遽中止せざるをえず、

ともに一睡もせずに夜を明かした記憶が鮮烈だった。

そのリベンジ公演となる今回は、眠れぬ夜をモチーフにした映像作家とのコラボ作品、

「レッド ポイント」のピアノの弾き語りのパートと、

現在彼女が執筆中の「パフォーマンス レシピ ブック- SOSに関する小話集」を

ベースに発展した、身体と声をしなやかに操うソロパフォーマンスの2部構成で展開する。

鋭利な刃物のような滑らかな動きと言葉が、

またしてもあっというまに意識の彼岸に連れていってくれるはずだ。

ときに囁き、ときに吠える、タケヤアケミの

強く,脆く、清潔な魂のゆらぎを感じてほしい。

 

 

日時:10月29日(土)

   19:00 開場   20:00開演

 

料金:予約/当日 2000円(1ドリンク込み)

 

予約:info@traumaris.jp

 

 

PROFILE

 

タケヤアケミ Akemi Takeya

http://www.akemitakeya.com/

 

 

ウイーン在住。パフォーミングアーティスト,振り付け家、ディレクター

1999年、ソロ「drowning fish (溺れる魚) 」でオーストリアダンス最優秀賞。

声と身体の関連性を重視したパフォーマス作品を独自の表現法で展開。

ソロ作品以外に、音楽、写真、ヴィデオ、インスタ レーション等との

コラボレーション活動 (グラニュラー・シンセサイズ/映像音響プロジェクト

「モーションコントロールーモデル5’9496年、ウルフ・ラングハインリッヒ

/映像・音響作家 と「風化」2005年等)、音楽家との共演活動は、呼吸音の変調、

テキスト、多種のヴォーカル表現を用いたパフォーマンスを電子音楽家、

ノイズ音楽等と共 (トム・コラ、クリスチャン・フェネス、レッヘンセントルム、

古舘徹夫、内橋和久等)2009踊りに行くぜ! vol.1″/ジャパン・コンテンポラリー・

ダンス・ネットワーク (JCDN) 主催にてソロ作品「触覚」を上演。http://odori2.jcdn.org/

2010年の新作は檸檬シンセサイザー・プロジェクトのパフォーマンス版。2011年の新作、
SOSに関する小話集/ パート1」は 踊りに行くぜ!セカンドの巡回プロジェクト
/ダンス作品クリエーション (福岡と伊丹) の一貫で、4人の地元ダンサーへの
振付・演出,公演が震災直前に実施された。
今秋、フェスティバルトーキョー招待公演、ジェローム・ベル構成演出
「ザ・ショーマストゴーオン」に出演。
http://www.festival-tokyo.jp/program/TheShowMustGoOn/

 

c)imeka.jpg

©imeka

 

 

Supported by the City of Vienna, Cultural Bureau (MA7), 

Austrian Federal Ministry for Education, the Arts & Culture (bmu: kk)
and Austrian Cultural Forum Tokyo


Co-produced by 
Japan Contemporary Dance Network, 

 

 

 

 

チーズと大葉入りミルフィーユカツレツ

トマトマリネ添え

1,000円

 

タマネギたっぷりドライカレー

(小)500円

(大)1,000円


 

FOOD

 

ひよこ豆とオイルサーディンの和え物 500円

自家製チーズのみそ漬け 500円

ミックスナッツ    500円

自家製ケークサレ(一切れ) 300円

自家製もちもちポンデケージョ(5個)500円

 

DRINK

ブラックベルベット 1000円

(ギネス&シャンパンのカクテル)

白ワイン      500円

赤ワイン      500円

スパークリングワイン500円

生ビール      500円

アサヒ黒生     700円

ギネススタウト   900円

焼酎(芋、麦、黒糖)500円

ウィスキー 各種700円から

ホットワイン    600円

ジン      500円から

ラム酒     500円から

ウォッカ      500円から

自家製ジンジャエール  500円

フルーツジュース   500円

ジャスミン茶/烏龍茶  500円

アールグレイティー  500円

ほうじ茶       500円

コーヒー、カフェラテ 500円

ココア        500円

ハーブティー     500円

 

 

Open Museum Project

 

― みんなで美術館をつくります。

Open Museum Project 第一回寄贈作品 決定!

 

石塚隆則展

 

2011.09.14 wed 2011.10.09 sun

 

 

 

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石塚隆則 「夫婦岩」 2010Takanori Ishizuka, A Nice Pair, 2010 Carved and painted camphor wood ...etc.

 

 

 

このたび、「みんなで美術館をつくります」をテーマに 2006 年より活動してまいりました

Open Museum Project (オープ ンミュージアムプロジェクト 代表・関 昭郎 東京都現代美術館 学芸員)の

第一回目の美術館寄贈作品が決定いたしましたのでご案内申し上げます。

Open Museum Project は、美術館との新しい接点をつくる事を目的に誰もが参加できるプロジェクトとして、

美術館への作 品寄贈を提案してまいりました。このたび、第一回寄贈作品として、

現代美術家 石塚隆則(いしづかたかのり)氏の木彫作品 「夫婦岩」を東京都現代美術館(東京都江東区)の

コレクションとして寄付することが決定いたしました。(2011 年 9 月 1 日現在 申請中)。

これを記念いたしまして2011年9月14日(火)より 「石塚隆則展」を開催いたします。

 

 

 

プレスカンファレンス:9 月 24 日(土) 17:00-

*ご出席の方はFAX又はメールにてお知らせください。

 

オープニングレセプション:9月 24 日(土) 18:00-20:00

 

 

会期:914日(水)〜109日(日)
  16:00-24:00(日曜14:00-22:00)

 

会場:TRAUMARIS|SPACE

    〒150-0013 渋谷区恵比寿 1-18-4

  NADiff a/p/a/r/t 3F

  TEL 03-6408-5522

  info@traumaris.jp

  http://www.traumaris.jp

    定休日 月曜祝日

 

 

 

公式HP:http://openmuseum.net/

 

Open Museum Project 発起人(50 音順)

 

植田友宏(ウエダジュエラー 取締役社長)/住吉智恵(アートプロデューサー・TRAUMARIS 主宰)/鈴木芳雄(編集者・美 術ジャーナリスト)/関 昭郎(東京都現代美術館 学芸員)/遠山正道(株式会社スマイルズ 代表取締役社長) /東泉一郎(higraph 代表・デザイナー, クリエイティブディレクター)/山口裕美(アートディレクター・山口裕美コンテンポラリーアートラボ) /トム・ヴィンセント(TONOLOOP NETWORKS.Inc 代表)

 

事務局


神戸謙二(Kambe Sons,Ltd.代表)/板屋真菜子(jubilee 代表)/合田裕紀子(伊藤忠ファッションシステム株式会社) /長谷川弘佳(mount inc. web デザイナー)/近藤彩乃(株式会社バンダイナムコゲームス)

 

 

 

 

石塚 隆則 略歴

 

1970 年 神奈川県横浜市生まれ/2001 「裸の大宇宙」ル・デコ(東京)/2002 年 「飛び出せ! 青春 番地」恵比寿ザズゥ(東京)/ 2003年「モアモアラブ」小野画廊(東京) 、「コミュニケーションブレイクダウン」小野画廊(東京) 、「白い恋人たち」小野画廊(東京)/ 2004 年「カフェ・イン・水戸 2004」 、水戸芸術館 (茨城)「vita」リトルモア・ギャラリー (東京)、「Landscape of White Lovers~白い恋人 たちのいる風景」、ラフォーレ原宿/2005 年 「タベルちゃん」リトルモア・ギャラリー(東京)、「Wa☆ショイ!」マキイマサル・ファインアーツ (東京)/2006 年 「magical art life-あるコレクターの世界」 東京ワンダーサイト渋谷、「毳者~ケモノ」DISCO(横浜・北仲ホワイト)/ 2009 年 「霊獣」nca | nichido contemporary art (東京)/2010 年 「夫婦岩」 H.P.FRANCE WINDOW GALLERY(東京)

 

 

 

 

ishizuka2009_nula.jpg

 

 

 

第一回寄贈記念展「石塚隆則展」によせて

 

山口 裕美 (Open Museum Project 発起人/アートプロデューサー)

 

 

 石塚隆則の絵画作品に非凡な才能を感じ、取材のための連絡を取ったのは、もうだいぶ前のことになります。そもそも石 塚隆則の作品は、好きというよりも、気にかかる、心のどこかにひっかかる作品でした。小動物を描いた作品が多く、大胆な 色使いの奇妙な絵画で、強い印象を残し、看過することが出来ませんでした。本を書くために御世話になり、その後、少し時 間が経ったところで、彼から1通のメールが届きました。そのメールに添付された写真には、絵画からそのまま飛び出した動 物たちが、木彫の姿でアトリエいっぱいに立ち上がっていて、衝撃を受けました。

近年、現代アートの1つの傾向として、1 人のアーティストが写真や絵画、立体、映像など表現のエリアを広げる傾向があり ます。石塚隆則も絵画と木彫の両方を両輪のようにして、制作に励んでいます。特に木彫の方はアメリカ先住民のトーテムポ ールのような土着的、呪術的な雰囲気もあるし、生まれて、喰らって、交尾して、生んで、死んでいく欲望に忠実な動物たちの 生命のサイクルを彩色木彫で表現する手法は、日本の木彫の伝統を踏まえた、直球の挑戦のように思われました。アトリエ が埋まるほど作品が溜まったので、2009 年、私の企画で京橋の nca で「霊獣」展を開催、石塚隆則の木彫作品は世の中へ のデビューを果たしました。

彼の作品には、古代から日本人の DNA に刻まれた自然との一体化を尊ぶような折口信夫的な世界観が感じられ、外部か らの「まれびと」を抵抗なく受け入れてきた素直な古代の人間の香りがします。そのことが、現代人に引っかかる感覚として、 何ものかを示唆するのだと思います。

Open Museum Project の寄贈作品に選ばれた「夫婦岩」は、彼の彫刻シリーズの中でも、エポックとなる作品で、ちょうど 娘という命が生まれ、彼自身が父親になる直前のものです。日本美術史を眺めていると、それぞれのアーティストの代表作 は、そうした個人史と密接なことが多いようです。アート作品は必ず、何かと何かを繋ぎます。「夫婦岩」も間違いなく、その役 を担うことでしょう。石塚隆則の代表作「夫婦岩」が、私達の未来に受け継がれ、2011 年という時代を語り繋いでくれたらと願 っています。

 

 

 

毳者1.jpg

 

 

「白い恋人たち」 2003 White Lovers, 2003 Mixed media

「 毳者1 」2006 KEMONO 1, 2006

acrylic on canvas

nule 2009 nule , 2009 Carved and painted camphor wood...etc.

 

 

 

第一回の作品寄贈にあたって

 

関 昭郎 (Open Museum Project 発起人/東京都現代美術館 学芸員)

 

 

90 年代に文化へお金をかけるべきだという議論が高まり、日本の美術館も世界と並ぶものにすることも盛んに話題にされま した。しかし、経済状況が悪化するとその多くの論点は説得力を失ったように思えます。そこで話された専門的な質を高め、 来館者へ提供するサービスや施設を充実させることは必要なことですが、いかに美術館と人々との距離を近づけていくかも 同時に考えていかなければならなりません。

近年、特に現代美術の分野ではボランティアとして、一般の方々が作品制作やワークショップに参加することが一般的に なってきました。また、私が現在、勤務している東京都現代美術館では、コレクションの解説ボランティアとして 30 余名の方 々が活動されています。社会人であるボランティアの方々が、生活の軸としてこの活動を楽しんでおられる姿に、私には大き な可能性を感じています。美術館の活動に能動的に関わることは、アートをよりよく知ることができるもっとも楽める方法であ ると言えます。

美術館の活動は多岐にわたるので、人々が関わることのできることはそれだけではないはずです。私は美術館の常設展 示室に、多くの人が共同で購入した作品が飾られたならば、すてきな光景になるだろうとイメージしました。私たち、美術館の 学芸員の仕事は 100 年後の人々が現在とほぼ同じ状態で鑑賞できるように作品を管理することですから、作品を寄贈すれ ば一世紀後にもそれは残ることになります。これは理想的なマッチングに思えました。

よく知られているようには欧米の美術館には個人からの寄贈による作品が数多く寄せられます。大英博物館やワシントン・ ナショナル・ギャラリーのような大美術館も個人コレクションの寄贈が基礎となっています。とはいえ、現代の日本でこれらと 同じ方法をとることは困難ですし、必ずしも私たちのやるべきこととは思えません。考えなければならないのは、誰でもが参 加できるオープンなプログラムです。

そこで売り上げの一部を寄贈作品の購入に充てる目的でプロダクトを制作し、ミュージアム・ショップで販売していただくこと を思いつきました。幸いにして現在のメンバーの協力により 2008 5 月より、美術家の須田悦弘さんとウエダジュエラーの コラボレーションによる《金の雑草》ほかの販売を開始することができました。さらに、以前よりチャリティーに関心の高かった メンバーの遠山正道が 2009 9 月に自身のショップである PASS THE BATON でチャリティー・プログラムを立ち上げ、そ のなかのアート支援活動として Open Museum Project を組み入れてくれました。

Open Museum Project を呼びかけたのは東京都庭園美術館の学芸員であった 2005 年のことでしたが、それから 7 年の 時間をかけて、今回、ようやく第一回の寄贈を進めることができました。メンバー一同、これをきっかけに第 2 回へと発展して いくことを目指しています。

近年、チャリティーの考え方は急速に広まりましたが、文化に対するそれは必ずしも一般的とは言えません。しかし、あたり まえのように思える文化を享受すること、自由に表現すること、自分たちの幸福を考えることは実はとても失われやすいこと なのです。そのためには活動なり、寄付なりで多くの人が意志を示すことはとても大切なことです。私たち Open Museum Project は、これからもオープンな形で美術館、文化活動と人々の新しい関係を考えていきたいと思います。

皆様のご支援とご協力をお願いいたします。

 

 

 

3匹ダンス1.jpg

 

 

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Open Museum Project


プレスカンファレンスのご案内

 

2011924日(土) 17:00-

 

会場:TRAUMARISSPACE

    〒150-0013 渋谷区恵比寿 1-18-4 NADiff a/p/a/r/t 3F

 

登壇者:
 

Open Museum Project 発起人
鈴木芳雄 (編集者・美術ジャーナリスト)

関 昭郎 (東京都現代美術館 学芸員)

遠山正道 (スマイルズ代表取締役)

山口裕美(アートディレクター)

 

第一回寄贈作品作家 : 石塚 隆則

 

 

 

ご出席希望の方は下記ご記入の上 9 22 ()までに

FAX 03-3468-8367又はmailinfo@tmpress.jpにてご返信ください。

 

お名前

貴社名又は媒体名

電話番号

メールアドレス

 

 

 

 

お問合せ・広報用お写真ご希望の方は以下担当までご連絡ください。

TAIRA MASAKO PRESS OFFICE

担当:平昌子

151-0053 東京都渋谷区代々木 5-15-10-810

Tel./Fax.03-3468-8367

Mobile.090-1149-1111

E-mail: masako@tmpress.jp

 

 

 

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飯沢耕太郎
『きのこのチカラ きのこ的生き方のすすめ』
(マガジンハウス)発売記念

マッシュルーム・ナイト


近所の小父さん、ことキノコ文学研究家としても知られる、
写真評論家・飯沢さんが、厳選したキノコ映像を背景に、
キノコをめぐる素敵なお話をしてくださいます。
キノコ料理の数々もご用意して,キノコづくしでお待ち申し上げます。

 

日時:10月8日(土)  19:00~

金額:1500円(1ドリンク、1キノコ料理込み)

予約:
info@traumaris.jp

出演:飯沢耕太郎(キノコ文学研究家、写真評論家)

上映:「かもめ食堂」「不思議の国のアリス」(食事中)
    「真夜中の弥次さん 喜多さん」「マタンゴ」(食後)など
   キノコ映像特集とトーク

特典:マッシュルームカット、全身きのこファッションで
   ご来場の方には1ドリンクor1キノコ料理!

展示:「石塚隆則 展」
   
http://www.ishizuka-hbs.com/



プロフィール:

飯沢耕太郎(いいざわ・こうたろう)

きのこ文学研究家。写真評論家。1954年、宮城県生まれ。

1984年、筑波大学大学院芸術学研究科博士課程修了。写真についての著書多数。
きのこ関係の著書に『
世界のキノコ切手』(プチグラパブリッシング)、
きのこ文学大全』(平凡社新書)、『マジカル・ミステリアス・
マッシュルーム・ツア―』(
東京キララ社 発売=河出書房新社)、
『きのこ文学名作選』(港の人,
2010年)がある。