2014年5月アーカイブ

 

 

笠原 出 展「ふわりんぼ / トリートメント」

 

6/19  6/20  6/27 は夜20時以降、イベントのため
展示がご覧いただけない時間帯がございます。 
お手数おかけ致しますが、スケジュールをご確認の上、
ご来場下さいますよう、お願い申し上げます。

 

会期:2014年6月10日(火)〜7月6日(日)

   6月14日(土)19:00-22:00
   オープニングレセプション
 

会場:TRAUMARIS|SPACE(恵比寿NADiff apart 3F)

 

 

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Fluffylimbo / Mt.Fuji(detail)@Izuru Kasahara

 



TRAUMARIS|SPACEでは、笠原出(1969年生まれ)の個展を開催いたします。

笠原出は、東京藝術大学美術学部・同大学院にて漆芸を学び、修了後は立体作品
やインスタレーションの手法で、目のない笑い顔でワラワラと増殖する「スマイ
ル(ゴースト)」と名付けられたモチーフをトレードマークとする一連の作品を
つくり続けてきました。

2006年頃からは絵画表現へと移行し、神社仏閣や聖地、睡蓮の浮かぶ池など、
この世とあの世の橋架けとなるような風景を端正に描いた具象画の表面に、金色
の箔(メタルフォイル)の「スマイル(ゴースト)」が点在する作品を描き続け
ています。

本展では、インターネット上に流布する無数の画像から、いくつかのイメージを
ピックアップした新作を発表します。

SNSやYouTubeなどを媒介として、いまや無数の画像や動画がネット上に掲げら
れ、もはや感覚的には、それらと現実の風景との境界はなくなったといっていい
でしょう。オリジナルという概念は崩壊し、コピーという概念さえもあやふやに
なってきた現代、ある特定の時間や場所といったコンテクストから外れた図像が
ひとり歩きしていく、この新しいリアリティを、作家は「人間社会の『断片化』
の一端」であると考えます。

描画のために選ばれたモチーフは、ネット上の景色をもとに、あえてぼかしや色
調の変更などを加えて描かれています。作家はこれらの画を、現世の向こう側に
現れたり消えたりする「辺獄」(リンボ)に見立て、その画の上に「スマイル
(ゴースト)」=「笑う霊素」たちのレイヤーをくっきりと施すことによって、
画の断片化は解消(デフラグ(*1))され、還元し、ニュートラルな存在に整え
られると考えます。

オリジナルの概念が薄れる一方で、逆にオリジナリティを無闇に神格化し、著作
権侵害を声高に批判したり煽ったりというネット社会の風潮に「居心地の悪さを
覚える」という作家は、インターネット上に蜃気楼のように浮かぶ遠い風景であ
る画像を、こちら側から眺めながら「笑う霊素」たちにピントを合わせることに
よって、現代社会を「トリートメント(整える)」必要をやんわりと示唆してい
ます。

ぜひともご来場いただき、各種メディア、ブログ、Facebook、Twitterなどで、
広報周知にご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。

アートプロデューサー・ライター
TRAUMARIS主宰
住吉智恵

 

会場:

TRAUMARIS|SPACE

〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff a/p/a/r/t 3F

TEL:03-6408-5522

開館時間16:00 - 24:00(日曜:14:00-22:00)

休館日:月曜日

http://www.traumaris.jp

e-mail:info@traumaris.jp(担当:住吉)
ご掲載等のお問合せはこちらまでお願いいたします。

 

 

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Artist’s Statement
 

「ふわりんぼ/ トリートメント」のためのメモ
 

■ふわりんぼ

作品タイトル「ふわりんぼ」は"Fluffy Limbo"(ふわふわの不確定状態)という
造語と「かくれんぼ」(*2)という伝統的な遊びから名付けた。

Limboは日本語で「辺獄」とか「辺土」と訳される。なので「地獄の辺り」の
ように解釈されがちだが、個人的にはもっと違う「常世」(とこよ)(*3)を
想像している。仏教でいう「賽の河原」も似て非なるものと思っている。例え
ば、琉球の「ニライカナイ」の「常世」感覚と個人的に考えるLimboは近い気
がする。修験道の野辺/里山の境界のように陸/海との境界から「常世」をみる。
山岳信仰と海洋信仰の違いはあるが、なにか同じものを観ているような気がし
てならない。

 

■デルス・ウザーラ/修験道/ビートニクス

映画「デルス・ウザーラ」(*4)を鑑賞した際、この「デルス・ウザーラ」と
修験道(修験行者)についての共通項を考えてみる。彼らは里から離れ、里山
から「神」が棲むとされる嶽のエリアで修行をする。「里、庭、野良、野辺」
と「里山、奥山、嶽」のボーダー、境界、結界、辺獄、Limbo…。そんな展開
が頭に中で浮かび上がった。

この思考は多分、10代後半にケルアックの「路上」に出会い、中道的な思想に
大きく影響を受けたことが発端なのだろう。同じビートニクスの最後期のアー
ティスト、ローレンス・ウィナー(*5)がチューターを務めた95年夏のCASK
(現CCA)で彼は僕にこう言った。「路の際(きわ)ではなく、真ん中を見て
みろ。そこにいろんなものがあるはずだ」

 

■還元

「デルス・ウザーラ」は森に生きる猟師。修験道における嶽のエリアに近い生
活をしていた。しかし彼は里山を越えてしまう…。未知との出会いは新しい何
かを与えてくれるかもしれないが、領域の越境は必ずしも幸福を与えてくれな
い。デルスは劇中、森での生き方ついて隊長(アルセーニエフ)に講釈してい
る。問いは多神教〜多元論的ではあるが、答えは非常にシンプルで、還元的
(reducion)である。なんとなくライプニッツのモナド論〜予定調和 を想起さ
せる。多元論的でありながら「神」によって一元論的に揺りもどされる。この
考えも修験道のそれと一致している。ある種Limboも「天国」「地獄」という
二元論的解釈を「還元」され、つくられた「常世」なのかもしれない。そうい
う意味においても「ニライカナイ」との符合がある気がする。

 

■デフラグ〜トリートメント

かつての展示「かくれんぼ」は「現世」(うつしよ)に隠れるという観点で
「笑う精霊」たちを「現世」(うつしよ)でみた鬼火や狐火のようなもの
(ignis fatuus)として登場させたが、今回は「現世」と「常世」の間にふわ
ふわ存在するもの、ライプニッツのモナドや素数のように無限に現れては消
える、ある種の「霊素」(*6)として金色の箔(メタルフォイル)によって
現出させた。「笑う精霊」たちは「笑う霊素」に還元される。

今回の「ふわりんぼ/トリートメント」はインターネット上の風景を「辺獄」
と見立て、「笑う霊素」たちによってそれは断片化を解消(デフラグ)され、
整えられる。

トリートメントされる「辺獄」…。これは個人的なある種の「イコン」なの
かもしれない。

 

2014年5月 
笠原出


(*1):コンピュータのファイルシステムにおけるフラグメンテーション(断片化)を解消すること。最適化。

(*2):2007年にナマックカフェ(横浜)、09年にArt Center Ongoing(東京)で開催された笠原出の個展タイトルでもある。「隠されたもの」はラテン語「オカルト」の語源。occult:[形容詞] 神秘的な・密教的な・魔術の・目に見えない。[名詞] 秘学・神秘(的なこと)・超自然的なもの。

(*3):とこよ(常世)、かくりよ(隠世、幽世)とは、永久に変わらない神域。死後の世界でもあり、黄泉もそこにあるとされる。「永久」を意味し、古くは「常夜」とも表記した。日本神話や古神道や神道の重要な二律する世界観の一方であり、対峙して「うつしよ(現世)」がある。変化の無い世界であり、例えるなら因果律がない定常的であり、ある部分では時間軸がないともいえる世界。

(*4):1975年公開の黒澤明監督によるソ連・日本の合作映画。1902年から1910年のシベリア沿海地方シホテ・アリン地方を舞台にしており、1923年に同タイトル「デルス・ウザラ」で出版されたロシア人探検家ウラディミール・アルセーニエフによる探検記録に基づいている。「原始的であるはず」のデルス・ウザーラの生き方は、結果的に「文明化された」ロシア人に、人生の意味などの興味深いことを数多く、シンプルかつ的確に示唆した。

(*5):LAWRENCE WEINER 1942年、N.Y.ブロンクス生まれ。 ニューヨークとアムステルダムを拠点に、国際的に活躍しているコンセプチュアル・アートの草分けの一人。 高校卒業後、石油タンカーや貨車での荷物卸など様々な仕事を経て、初期は絵画や彫刻作品の制作していたが、1960 年代後半から素材は「概念」へと移行し、言語の型を用いた作品を制作するようになる。

(*6):ナマックカフェ(横浜・綱島)のオーナーであり、文化人類学的フィールド・ワーカーである菅谷伸一氏による造語。新しいタームとしてキューをしていただいた菅谷氏に感謝の意を表したい。

 

 

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Profile

 

笠原 出  Kasahara Izuru

 

美術作家

1969年 静岡県浜松市生まれ

1992年 東京藝術大学美術学部卒業

1994年 東京藝術大学美術研究科修士課程漆芸専攻修了

 

■ 展覧会データ

個展

1996 STILL SMILE LIFE ギャラリーK 東京  

1996 SMILE LIFE THEATRE ギャラリーアート倉庫 東京

1997 HAPPY HAPPY LODGES ミヅマアートギャラリー 東京

1999 Sleep/Dream/Smile ウエストベスギャラリーコヅカ 愛知

1999 SMILE(Ghost)  アニエス・ベー 東急クロワゼショップ 東京

2001 FLUFFY FLUFFY ミヅマアートギャラリー 東京

2002 FLUFFY FLUFFY+ ミクスト・メディア 静岡

2002 SMILE/fluid アートコクーン 東京

2005 「笑う植物画」 アートコクーン 東京

2007 「かくれんぼ」  ナマック・カフェ 横浜

2009 「かくれんぼ」  Art Center Ongoing 東京

2011 「ふわりんぼ」  ナマック・カフェ 横浜

2012   「ふわりんぼ『睡蓮景』」  dragged out studio 東京

2013 「ふわりんぼ」  Art Center Ongoing 東京

2014 「ふわりんぼ/トリートメント」 TRAUMARIS | SPACE 東京

 

グループ展

1996 STARTS スタジオ食堂 東京

1996 Morphe'96 ラフォーレ原宿 東京

1997 TANAGOKORO2 レントゲンクンストラウム 東京

1998  TANAGOKORO3 NCAF'98 名古屋市民ギャラリー 愛知

1998 フィリップモリスアートアワード最終選考展 東京国際フォーラム 東京

1998 des-s-sert  スタジオ食堂 東京

1998 寿限無展'98世紀末複製事件 現代美術製作所 東京  

1999 日本人作家展 ピュヴリック< パリ(フランス)  

1999 TANAGOKORO4 NCAF'99名古屋市民ギャラリー 愛知 

1999 バルーンアート・フェスティバルHOT AIR グランシップ 静岡

1999 ダブル・ポジティブ スタジオ食堂 東京

1999 Networking展(キュレイター Les Joynes ) P-house 東京

1999 あぶない展覧会  サル・バー ソウル(韓国)

1999 アートは楽しい10 天国で地獄  ハラミュージアムアーク 群馬

1999 TANAGOKORO5  レントゲンクンストラウム 東京

1999 立川国際芸術祭'99  グランデュオ  東京  

2000 Lecture "La Grace"  ポンピドーセンター パリ(フランス)

2000 TANAGOKORO6  ウエストベスギャラリーコヅカ 愛知

2000 AIR-AIR  グリマルディ・フォーラム モンテカルロ(モナコ公国)

2000 Kindergarten  墨田区幼稚園 東京

2001 サイクリング#2 dragged out studio 東京

2001 地雷展 dragged out studio 東京

2001 AOBAトリエンナーレ 多摩プラーザ駅周辺 横浜

2001 街頭藝術横浜2001~商店街の美術~ 万国橋通り 横浜

2001 [Tokyo/Life]展 セルフリッジ ロンドン(イギリス TRaP参加)

2001 NEO-TOKYO 展  Museum of Contemporary Art, Sydney シドニー(オーストラリア TRaP参加)

2001 Batofar...seeking Tokyo  BATOFAR パリ(フランス TRaP参加)

2002 ショウケース・ギャラリー#8 スクラッチ・タイル 横浜

2002 HOT AIR  インスティテュート・オブ・テクノロジー カーロー(アイルランド)

2002 listening dream floor 神奈川県民ホールギャラリー 横浜

2002 街頭藝術横浜2002~商店街の美術~ 万国橋通り-馬車道-伊勢佐木町 横浜

2002 Ares & Pensares SESC SAO PAULO サンパウロ(ブラジル)

2002 TANAGOKORO8  レントゲンヴェルケ 東京

2003 地雷展2 ドラッグアウトスタジオ 東京

2003 T-SHIRT BIBLE展 六本木ヒルズ 東京

2003 108展 ISE FOUNDATION  ニューヨーク(アメリカ)

2004 家紋展 恵文社 京都

2004 カフェイン水戸2004 水戸芸術館 茨城

2004 "Tokyo Rabbit Paradise at Careof Milano" ミラノ(イタリア TRaP参加)

2004 "AUTONOM IST NOCH NICHT EINMAL DER MOND" ACCギャラリーワイマール(ドイツTRaP参加)

2005 Since 1994 10周年記念展  ミヅマアートギャラリー 東京

2006 百花撩乱 ボイス・プランニング 東京

2006 第6回西脇市サムホール大賞展 西脇市岡之山美術館 兵庫

2006 magical art life展 トーキョーワンダーサイト渋谷 東京

2007 ポスカート展~54人の作家によるポストカードアートプロジェクトKANDADA 東京

2008 異相の花園 マキイセレクションズVol.2 マキイマサルファインアーツ 東京

2009 Tシャツ展。創造空間9001 横浜

2009 行儀の悪い額縁 深川ラボ 東京

2009 Ongoing X’mas Art Center Ongoing 東京

2008    シークレットオークション 3331Chiyoda Arts 東京

2010 第8回西脇市サムホール大賞展 西脇市岡之山美術館 兵庫

2010 Ongoing X’mas Art Center Ongoing 東京

2011 カフェイン水戸2011 水戸芸術館 茨城

2011 Ongoing X’mas Art Center Ongoing 東京

2012 大越幸子コレクションselected by A-things A-things 東京

2013 アラフドアートアニュアル2013 土湯温泉 福島

2013 SUMMER SHOW 2013 日本橋高島屋美術画廊X・新宿高島屋美術画廊 東京

2013 Ongoing X’mas Art Center Ongoing 東京

2014 平等院表参道美術作品公募展 宇治市源氏物語ミュージアム 京都

 

*TRaP:東京ラビットパラダイス(コマンドNによる映像のグループ・ショウ)

 

 

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宮川ひかる 展
「Fleshing」

 

2014年5月21日(水)〜6月8日(日)
opening reception: 5月21日(水)  19:00-22:00
 
 
急きょトークイベントが決まりました!
ゲストは作品に身長194cmの大きな背中を貸してくださったケロッピーさんと、
岡本太郎現代芸術賞やデパーメントHで注目のサエボーグ!
ハードコアな話が満載になることまちがいなし。
 
 
トークショウ: 5月31日(土)  19:30-20:30 
 
出演:宮川ひかる(出展作家)
   ケロッピー前田(フォトジャーナリスト)
   サエボーグ(アーティスト)
 
 
 
 
 
apocaript フライヤー画像.jpg
 
 
 
flesh【動詞】【他動詞】
1〈刀などを〉肉に突き刺す。〈刀などの〉切れ味をためす。
2〈文筆・才などを〉実地にためす。
3〈猟犬・タカなどに〉獲物の肉を味わわせて刺激する。
4〈兵隊などに〉流血の味を知らせる。
 
 
TRAUMARIS|SPACEでは、今年3月に開催された「3331ART FAIR」にて
「住吉智恵(TRAUMARIS主宰/アートプロデューサー)賞」に選出された
アーティスト、宮川ひかる(1976年生まれ)の個展を行います。
 
宮川ひかるは、2005年にフランス・グルノーブル美術大学を卒業、2007年に
スイス・ジュネーブ美術大学修士課程修了。在学中から、モードテキスタイル
博物館(パリ)、ジュードポーム美術館(パリ)、 コレクション・ランベール
(アヴィニョン)など美術館のグループ展に多数参加、2006年に国内初個展
「Trip of Hikaru」(高橋コレクション)開催、2007年にジュネーブ市から若
手アーティストを奨励するLissignol-Chevalier賞を受賞。アーティスト/キュ
レーターとして作品制作と展覧会企画を行っています。
 
国内外で最初に注目を浴びた、2006年の「ポスター・プロジェクト」では、
物質的マテリアルを使用しない商品を扱う架空のラグジュアリーブランドの
広告を制作。ジュエリーや靴のデザインを、作家自身の身体にみずからカッ
ティングによって施した生々しい模様を撮影し、マテリアル不在の製品をま
とったポスターを街中に貼って見せました。
このほか、ルイ・ヴィトン150周年記念の年には、モノグラムのバッグを日
本の折り紙で精密に複製し、正規の値段をつけてLVパリ本店の前で路上販売
しているところを警察に連行される体当たりのパフォーマンスを敢行。その
「革製の物より精巧な」クオリティの高さが注目され、『Le cas du sac』
と題した、モードテキスタイル博物館でのエルメス主催の鞄の展覧会で発表
されました。
 
近年はより一層、身体改造、物質性の破壊と創造、深層心理のプロトタイプ
にフォーカスし、絵画、刺繍、インスタレーション、アクションなど多岐に
わたる手法を用いて、それらの分野を探求しています。
「3331ART FAIR」では、太陽と鳥を描いたタトゥーのデザインを元に、
http://www.apocaript.com/gallery/226.html
同じ彫り師にアレンジを依頼したデザインを、別のカッティング師に刻んで
もらった彼女自身の背中のイメージをメインに、友人のタトゥーを刺繍で再
現した作品、白髪を幾何学模様に編み込んだ立体などが展示されました。
 
本展で発表する新作は、スペイン・アルタミラの洞窟画の野牛を背中にカッ
ティングした雄大なイメージの布プリント、古代の壁画に遺された狩りの様
子を「痛ネイル」に施した写真作品、タトゥーの刺繍作品によるインスタレ
ーションとなります。
展示タイトルは「fleshing」。肉体を意味する「flesh」の動詞が、肉のカッテ
ィングから狩猟、戦闘まで、さまざまな状況で道具や腕を「能動的にためす」
意味をもつことに注目しました。
宮川の肉体や物質へのアプローチは、自傷のようなメンタルな受動的・否定
的な態度からはほど遠い、あくまで「能動的」破壊と創造のアクションであ
り、文字通り「真剣勝負」の、造形美の実験であるからです。
そのリアルな痛みを伴う「ためし描き」の充実した成果が,観る人々の深層
心理にいかなる効用(高揚)をもたらすのか? 作家は今後も引き続き、自
身の肉体と心理の変化を含めた定点的観察を続けていくはずです。
 
ぜひともご来場いただき、各種メディア、ブログ、Facebook、Twitterなどで、
広報周知にご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。
 
 
アートプロデューサー・ライター
TRAUMARIS主宰
住吉智恵
 
 
 
会場:
 
TRAUMARIS|SPACE
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿 1-18-4 NADiff a/p/a/r/t 3F
TEL:03-6408-5522
開館時間 16:00 - 24:00(日曜:14:00-22:00)
休館日:月曜日
 
http://www.traumaris.jp
e-mail:info@traumaris.jp(担当:住吉)
ご掲載等のお問合せはこちらまでお願いいたします。
 
 
 
 
 
古代野牛.jpg
 
 
 
 
宮川ひかる Hikaru Miyakawa
 
1976年名古屋生まれ。フランス・グルノーブル美術大学卒業(05年)、スイス・ジュネーブ美術大学修士課程修了(07年)。在学中から、モード・テキスタイル博物館(パリ)、ジュードポーム美術館(パリ)、 コレクション・ランベール(アヴィニョン)などの美術館でのグループ展に多数参加し、 07年、ジュネーブ市から若手アーティストを奨励するLissignol-Chevalier賞を受賞。08年から、東京、愛知、オランダでアーティスト キュレーターとして自身の作品を入れた展覧会の企画を行う。近年は、人間の深層心理の元型について、絵画、刺繍、インスタレーション、アクションなど多岐にわたる手法を用いて探求している。主な展覧会に、2013年「Platonic Obsession」 (XYZ collective/東京)、2010年「シュート」(あいちトリエ ンナーレ)、2009年「WONDER BANG!」トーキョーワンダーサイトEmerging Artist Support Program 2008 展覧会企画公募 (TWS本郷/東京)、2006年「Trip of Hikaru」 (高橋コレクション/東京)など。
http://www.hikarumiyakawa.berta.me
 
 
 
Hikaru MIYAKAWA
 
born 1976, Japan
 
FORMATION
2005-2007 Postgraduate studies at Beaux-Arts, Geneva, Switzerland
2000-2005 Ecole supérieure d'art de Grenoble, France
1995-1996 Tama Art University, Tokyo
 
Solo exhibition
2011 sexe émeraude, Galerie Oel-Früh, Hamburg
2009 life is... huh! Galerie Oel-Früh, Hamburg
2006 Trip of Hikaru, Takahashi collection, Tokyo
 
Selected group exhibitions
2014 Monogram ART, KUNST ARZT, Kyoto & Mitsui Art, Tokyo
         3331 Art Fair ‒Various Collectors' Prizes‒, 3331 Arts Chiyoda, Tokyo
2013 Platonic Obcession, XYZ Collective, Tokyo
         La mort et le futur, vanilla gallery, Tokyo
2012 Menage à trois, tcb, Melbourne
        More beautiful than when you come, swich point, Kokubunji
2011 A New Hook, Museum Bellerive, Zurich
        Voyage to the beautiful self, Copenhagen
2010 chûte (artist curator), Aichi Triennale, Nagoya
        Asian Invation (artist curator), Nest, Den Hague
2009 neoneo girls, Takahashi Collection, Tokyo
        Wonder Bang! (artist curator), Tokyo Wonder Site, Tokyo
2008 Power of Flower, Manggha, Museum of Japanese Art and Technology, Cracow
2007 J'embrasse pas, Collection Lambert, Museum of contemporary art, Avignon
        J.com Japon, National Theatre, Marseille
        Art protects: artists against AIDS, Gallery Yvon Lambert, Paris
        Chantier natal, Obstetrics and gynecology hospital in Geneva
        Genève, artistes et créateurs d'aujourd'hui, Center of contemporary art, Geneva
        Itinéraires, traverses, cartes postales, Villa Dutoit, Geneva
        A mille lieues, artenils, Geneva
2006 Suite, BF15, Lyon
        Fais pas ci, fais pas ça, Palais de l’Athenée, Geneva
        MiGre, Care/of, Milano
        En pararel MiGre, Centre culturel français, Milano
2005 Fresh Europe, Kogart, Budapest
        Burlesque contemporain, Musée de Jeu de paume, Paris.
        Pavillon clandestin, Alliance française, Venise
        Cutting Edge, Seoul Auction House, Seoul
        Smoking Collectif, l'Ecole supérieure d'art de Grenoble
2004 In Vitro, galerie Abstract, Lausanne
         Le cas du sac au Musée de la mode et du textile, Paris
        Pvillon Clandestin, Alliance Française, Venise
        Cutting Edge, Seoul Auction House, Seoul
        Eijanaika! Yes Future!, La Collection Lambert, Musée d'Art Contemporain, Avignon
        Akimahen! à la maison folie, Lille
        Downtown à Espace Croisé, Centre d'Art Contemporain, Roubaix
        45e parallèle au Magasin, Centre National d'Art Contemporain, Grenoble
 
Prize, Residence
2010 Curatorial Competition of Aichi Triennale, Nagoya
        Residence DCR, Den Hague
2008 Emarging Artist Support Program for “Young Exhibition Planners”, Tokyo Wonder Site
2007 Prize of Lissignol-Chevalier, Geneva
2006 Fund award for fine art, Grenoble city
        Residence Moly Sabata, Albert Gleizes fondation
 
PUBLICATION  
2010 monopol magazine
2008 KT Press volume 21
        So-en Fashion Magazine
2007 Revue INOX 3
         le journal d'attitude n°29
2006 B-T Bijyutsu Techo
2005 De l’idiotie aux Burlesques contemporains, Hors-série Beaux Arts magazine
 
 
 
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