2013年1月アーカイブ

 

 


池田光宏 展

「Hide and Seek —私たちは木陰に隠れた」


第5回恵比寿映像祭 地域連携プログラム 参加作品



会期:2013年2月6日(水)~3月10日(日)

   2月9日(土)18:00〜NADiff apart合同オープニング

会場:TRAUMARIS|SPACE


 

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           「Hide and Seek」2008年 Video Installation @Mitsuhiro Ikeda

 

TRAUMARIS|SPACEは「第5回 恵比寿映像祭」(東京都写真美術館 主催)に地域連携プログラムとして参加いたします。

本年は、人影が窓辺に浮かび上がるトロンプルイユ(だまし絵)的な映像インスタレーション「by the Window」など、さまざまな場所にほのかに暖かい幻影を出現させるアーティスト・池田光宏の最新作と、2008年にスウェーデンのヨーテポリで滞在制作した国内未発表作品等を紹介します。

 

展示作品1

Blue Moment

2013年 ビデオインスタレーション
新作


鉛筆と蛍光色の絵の具を使ったドローイングに、プロジェクターでさまざまな色の光を当てることにより、原画のペイントした部分の色あいが刻々と変化し、「インスタレーションドローイング」とも言える、動かない動画のような効果を生み出します。
池田がスウェーデンに滞在していた頃、自分のために残すことだけを目的に続けていたのがこのドローイングでした。そのアクション自体がまさに本年の恵比寿映像祭のキーワードである「日記」に近いものだったといいます。
北欧の気候は、夕陽の照射距離が長いことから、昼と夜のあいだのいわゆるブルーモーメントと呼ばれる黄昏の時間がゆっくりと続くそうです。
「この時間帯、昼間は親しみやすく美しい近所の森や町の建物は、刻々と不気味さを帯びてきます。夜の闇が訪れる頃にはいつのまにかものすごく怖い世界と化しています」と池田は追憶します。
その昼と夜の世界の落差を表現したのが、照射する光と色の組合せによって、くっきりと輝いたり、青みを帯びたりと変化する、このインスタレーションドローイングです。夏と冬では人の性格まで変わるといわれる北欧の暮らしのなかで実感した「光への枯渇」がこの作品のモチーフとなりました。
「スタジオに籠り、窓辺で仕事をしていると、冬の日照時間が極めて短いため窓の外はずっと暗い。それはまるで潜水艦に乗っているような気分でした」。
深海の生物が自ら発光する構造へと進化を遂げたように、人工的に発光する蛍光色は、スカンジナビアのデザインやアートの表現に効果的に使われてきました。その背景は池田の作品にも色濃く反映されています。

 

 

 

 

HaS A.jpeg@Mitsuhiro Ikeda


 

展示作品2

Hide and Seek

2008年 ビデオインスタレーション
国内未発表作品

 

待ちぶせのたのしみ。
頭かくして尻かくさず。


不確かな生物の存在が、好奇心を刺激し、大きな波紋を投げかけることがあります。ネス湖のネッシーなどはその有名なエピソードの一つでしょう。
池田はスウェーデンのヨーテボリに滞在中、「あの丘の上には野生のムースがいるらしいから気をつけなさい」とか「私はあなたの住む家の裏で白いキツネをみた」など、本当なのか嘘なのか定かではない話をいくつか聞かされたといいます。
「そうした謎の伝説のようなストーリーはたいていその発信源に根拠はなく、得てして誰かの嘘で始まる事が多いものです。しかし、仮にそれが嘘であったとしても人が想像力を駆使してその信憑性を語ったり、また逆にそれがいかにあり得ない事かを力説するように議論する光景は、微笑ましくもあり、ひょっとするとこれは人間がより豊かに生活していくために『必要な嘘』かも知れないとも思うのです」と池田はいいます。
「Hide and Seek」は、そんな他人と共有しにくい「ほんとうに見た」という経験を、「必要な嘘」のエピソードとして提供しようと試みた作品です。
ときには疑うことを知らない子供のように澄んだ眼でアートを観たいものです。

 

 

展示作品3

Giggling Project

2008年 ビデオインスタレーション


giggleとは「ほくそ笑む」という意味。
池田と妻であるアーティストの小木曽瑞枝が滞在していたヨーテポリのレジデンスのカフェの可愛らしいドアが、2人の小さな悪戯に思わずほくそ笑みます。

 


会期中のイベント

 

2月10日(日)〜2月16日(土)

カレーも個展
スウェーデンカレー SOLO SHOW!!

ヨーテポリ滞在中の池田が、カレーのルゥが容易に手に入らないことから考案した特製スウェーデンカレーが、1週間限定でTRAUMARISのカフェメニューに登場します。

 

2月17日(日)17:00〜21:00

アートカレー部主催
「カレーの市民(カリ)VOL.8」

アーティスト、デザイナー、音楽家など各界のカレー求道者たちによる「部活」の不定期発表会。7〜8種の「作品」を替え玉100円からテイスティングできます。美大の卒業制作並みに真剣な講評会もあります。

 

3月?日(日)日程詳細調整中

コントユニット「モンブランズ」プチ公演!

 

3月3日(日)15:00〜

スウェーデンカレーのワークショップ

参加者それぞれの考えるスウェーデンカレーを作ります。

参加費:2000円(1drink+試食付き)+実費(各自食材・道具)

予約:info@traumaris.jp 定員5名

 

 

会場:

TRAUMARIS|SPACE
〒150-0013 渋谷区恵比寿1-18-4
NADiff A/P/A/R/T 3F 
TEL:03-6408-5522 月曜休
火〜土16:00-24:00(日曜14:00-22:00)

URL:http://www.traumaris.jp
info@traumaris.jp

 


Artist's Profile


池田光宏 Ikeda Mitsuhiro


1969 神奈川県横浜市生まれ

1994 日本大学芸術学部美術学科卒業

1997 東京芸術大学大学院美術研究科修了

2008 平成20年度文化庁新進芸術家海外派遣研修員としてスウェーデンに滞在

 

主な個展

2007「by the Window G54.v」ギャラリー54
  (ヨーテボリ、スウェーデン)

2008「by the Window "A Chair" Two Change .v 」 Two Change
  (ストックホルム、スウェーデン)

2009「Blooming Flower at Night」Kulturhuset Vita Skolan 
  (ブロビー、スウェーデン)

2010「by the Window 墨東バージョン」
  (墨東まち見世・100日プロジェクト)墨田区(東京)

2012「Home Made Home」(あざみ野ナイト2012)
   アートフォーラムあざみ野(横浜)

 

主なグル-プ展

2003 「越後妻有アートトリエンナーレ2003」JR十日町駅(新潟)

       「こもれび展」水戸芸術館現代美術センター(茨城)

         「Moving Japanese」Kulturhuset Stockholm
   (ストックホルム,スウェーデン)

     「Japan Video Night」Film Forum the Art Film
   (ストックホルム,スウェーデン)

2004 「カフェ・イン・水戸 2004」水戸芸術館現代美術センター(茨城)

         「セントラルイースト東京2004」浅草橋市街(東京)

     「府中ビエンナーレ2004」府中市美術館(東京)

2006 「越後妻有アートトリエンナーレ2006」 上足滝公民館(新潟)

   「ヨコハマ Private EIZONE」Bankart桜荘(神奈川)

   「ときめきエンカウンター」秋葉原UDX(東京)

2008 「After Hours」Askim Kulturhus(アッシム、ノルウェー)

   「AKASAKA ART FLOWER 08」旧赤坂小学校(東京)

   「AOBA+ART 2008」青葉区美しが丘・住宅街(横浜)

   「Anonymous」Gallery Konstepidemin(ヨーテボリ、スウェーデン)

2009 「光と光とが出会うところ(収蔵作品展)」府中市美術館(東京)

         「ヨーテボリ・アートビエンナーレ・サテライト」Gallery Konstepidemin

   (ヨーテボリ、スウェーデン)

   「水都大阪2009」中之島公園 (大阪)

   「AOBA+ART 2009」青葉区美しが丘・住宅街(横浜)

2010 「Full Cause ・食と現代美術vol.6」BankART(横浜)

   「ミマクル・ミラクル」府中市美術館(東京)

   「AOBA+ART 2010」青葉区美しが丘・住宅街(横浜)

2011 「Art For Tomorrow」東京ワンダーサイト (東京)  Tokyo Wonder Site

   「黄金町バザール 2011」横浜市黄金町市街(横浜)

   「AOBA+ART 2011」青葉区美しが丘・住宅街(横浜)

2012 「六本木アートナイト2012」六本木ヒルズ(東京)

   「アートラインかしわ2012」二番街商店街アーケード他(千葉)

 

パブリックコレクション

府中市美術館(東京)

Konstepidemin (スウェーデン)

 

主なコミッション・ワーク

2006 旭硝子・モノづくり研修センターのためのアートワーク制作。

2011 府中新町幼稚園エントランスのアートワーク及びロゴマーク制作。

 

 

 

名和晃平 「Direction」

Kohei Nawa  Direction

公式ポスター

 

ENGLISH BELOW

 

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名和晃平「Direction|TRAUMARIS」
公式ポスターを再版、発売いたします。

 

2013年の名和晃平個展「Direction|TRAUMARIS」と同時に
企画・制作いたしましたアーティスト監修による公式ポスターを
ご好評につき再版、販売いたします。
 
デザインはアートディレクター 古平正義(FLAME)。
本作品のテンションとスピード感を最大限に生かし、
キャンバス地に近い紙にUVシルク印刷を施しています。
 
 
 
価格:3,800円(税込)
 
サイズ:B2
 
ネット販売:https://traumaris.stores.jp
 
取扱店:NADiff 各店 http://www.nadiff.com
 
お問合せ:info@traumaris.jp
 
版元:TRAUMARIS
 
協力:SANDWICH,  SCAI THE BATHHOUSE
 
 
 
Kohei Nawa「Direction」 
official poster on sale at TRAUMARIS
 
 
limited edition:200/400
 
price:¥3,800
 
size:B2
 
 
shop:NADiff http://www.nadiff.com
 
more info.: info@traumaris.jp
 

 

 

 

1月19日(土)
19:00〜20:30(予定)
 
 
名和晃平個展「Direction|TRAUMARIS」
無関連イベント
 
「NO Direction|アートとかはどこへ向かうのですか?」
 
 
出演:三田村光土里(アーティスト)
   志村信裕(アーティスト) 
   住吉智恵(アートプロデューサー) 
   +?
 
入場:無料(1ドリンクオーダーをお願いします)
 
会場:TRAUMARIS|SPACE
   渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 3F 
   TEL 03-6408-5522

 
 
名和晃平「Direction|TRAUMARIS」
幻惑的でトリッキーな展示空間のなかで、
作家本人不在の「NO Direction」イベントを急きょ開催します。
 
2012年、TRAUMARISにて展示をおこなった縁で知り合った
2人のアーティスト、三田村光土里、志村信裕を迎え、
アートプロデューサー/ライター 住吉智恵が
方向性のまったく定まらないトークセッションを舵取りします。
 
あくまで「低姿勢で」(三田村)、
「私たちのアートとか、人生とか、経済生活とか、政治とか、
宗教とか、タブーとか、人間カンケイとか、愛とかは、
これからどこに向かうのですか?」
という切実かつ不穏なテーマを無方向に転がしていきます。
 
アーティストトークの醍醐味ともいえる、オチも学びもないが
「炭坑のカナリア」のように暗示的に未来を占うかもしれない、
フラクタルな話の流れをお楽しみください。