2013年8月アーカイブ

 

 

 

自由について 3
— 高橋恭司 Mrs.Yuki
 
 
 
会期:2013年9月10日(火)〜10月6日(日)
オープニング:9月12日(木)18:00〜22:00
 
会場:TRAUMARIS|SPACE(恵比寿 NADiff apart 3F)
制作協力:株式会社槙田商店、株式会社バンデサイン
 
 
 
 
 
L9991128.jpg
©Kyoji Takahashi
 
 
 
 
TRAUMARIS|SPACEでは、企画展シリーズ「自由について3 —高橋恭司 Mrs.Yuki」を開催いたします。
写真家・高橋恭司(1960年〜)は、1990年代より広告や雑誌などの媒体で活躍し、晩年の詩人チャールズ・ブコウスキーがタイトルを付けたことでも注目された最初の写真集『THE MAD BROOM OF LIFE』以来、途中10年ほど大きな動きの見えない時期を経て、写真表現に身を投じ続けています。
彼にとって写真とは、連想の断片が連続し、彷徨していく表現活動であって、あくまで「目的や価値と関係ないこと」「テーマ性、物語性をもたないこと」をスタンスとして維持してきました。現実世界から丁寧にすくいあげた事象をただ撮ること、それが自身の仕事であり、主張なく選ばれたカットに、あとから意味やタイトルが繋がっていったといいます。
2009年以降は「写真を展示すること」にそれまでにない刺激と意欲とを感じはじめた高橋は、再び立て続けに写真集を発表します。
また同時に、レーザープリントでイメージを反復させるL-Printの手法に着手。「模像を反復で飛び越える」ことによって生まれる、単なる劣化ではない、際どいテクチュアの面白さを模索しています。
本展では、日常の素朴な光景や観光地の土産物屋にありがちな「富士山と松」に象徴される牧歌的なモチーフをとらえた写真を、ジャガード織りにしたテキスタイルと、L-Printによるコラージュを発表します。
時代の移り変わりや写真を取り巻く状況の変化に寄り添うでもなく、ただ自由奔放な関心と写真表現が重なりあうところで、創作のフィールドを獲得してきた高橋恭司の姿勢と足跡から、若い世代はなにかをつかむでしょうか? 
 
 
Mrs.Yuki[平嶺林太郎(1983年〜)・大久保具視(1982年〜)]は、ボールパイソン(にしきへびの一種)の育成・繁殖を通して、生命体の本質とあり方を問う新進気鋭のアートユニットです。
ボールパイソンは、遺伝子の組み合わせによって模様や色彩が突然変異する現象がとくに多様に見られる生物です。その無限の可能性を秘めた美しさと稀少さは、市場価値を絶えず変動させ、コレクター・ブリーダーの情熱と欲望を刺激し続けているといわれます。
Mrs.Yukiは、そうした遺伝因子を持つ個体(ヘビ)を実際に飼育し、人為的自然交配によって、新たな品種の改良と血統の継承をこころみます。
これまでに発表した、ありふれた家具とボールパイソンの育成繁殖空間が交わる装置は、極めてエレガントな実験室でした。
そこでは遺伝という生命現象によって生まれる存在価値の優劣や区別の意識が、ほぼ完全に人間のコントロール下にあって、人造物の家具に保護されていながらも、もはや大きな意味では自然の延長とも感じられました。
「世界を俯瞰してみれば極めて正常な現象」と彼らが言うように、ポールパイソとその品種改良のもつ魅力に抗えず、おびき寄せられる人間の存在がある限り、操作する側/される側の反転と連環は、永遠に終わることはありません。
私たちはそこに、身体性の変化や拡張が、人間の自由意志の及ばない「神の領域」から解放されつつある、現代科学の状況を垣間みることもできるでしょう。
それはまさに、ヘビにそそのかされて楽園から追放され、原罪と自由とを同時に獲得した人間の行方をも占う実験といえるかもしれません。
白い子ヘビは虚ろな瞳で無邪気にそれを眺めています。
 
 
ぜひとも本展について、各種メディア、ブログ、Facebook、Twitterなどで、広報周知にご協力をよろしくお願い申し上げます。
 
 
TRAUMARIS アートプロデューサー・ライター
住吉智恵
 
 
 
 
Mrs.Yuki.jpg
©Mrs.Yuki
 
 
 
●プロフィール:
 
高橋恭司
 
写真家
1960年 栃木県益子町生まれ。
 
Exhibitions
 
1992「Straight Photographs..Kyoji Takahashi 」
   コンテンポラリーアートスペース. 日本橋高島屋
1994「The Mad Broom of Life 」パルコギャラリー東京
1995「L'equipe du MOIS DE LA PHOTO A MONTREAL 1995」モントリオール
1996「ニュー・ジャパニーズ・フォトグラフィー1990's[無意識の共鳴]」
   横浜市民ギャラリー
2000「Elysian Fields 」Centre Pompidou ポンピドゥーセンター
2004「コモン・スケープ/今日の写真における、日常へのまなざし」
   宮城県美術館
2013「ブルーブルー」新宿高島屋美術画廊
 
Books
 
1994「Mad broom of Life 」用美社
1996「Takahashi kyoji 」光琳社
1997「Life goes on 」光琳社
2009「煙影」「境間」「流麗」リトルモア
 
 
 
Mrs.Yuki[平嶺 林太郎・大久保 具視]
 
http://mrsyuki.web.fc2.com/index/Mrs.Yuki.html
 
平嶺林太郎と大久保具視による、ボールパイソンの育成を通して、生命体の本質とあり方を問うアートユニット。
 
 
2009 
Mrs.Yuki 結成
 
2010 
rgb+(東京造形大学 ZOKEI Gallery/東京)
HABU+JIM(東京造形大学 CS PLAZA/東京)
 
2013 
物質と彫刻 −近代のアポリアと形見なるもの− 展(東京藝術大学陳列館/東京)
Identity IX −curated by Reiko Tsubaki−(日動コンテンポラリーアート/東京)
life-life(CAPSULE/東京)
 
 
大久保 具視[Tomomi Okubo]
 
1982  神奈川県出身
2006  東京造形大学美術学科絵画専攻卒業 
2008  東京造形大学大学院美術研究領域修了 
 
Exihibitions 
 
2006 
KOSHIKI ART EXHIBITION 2006 (甑島/鹿児島)
Abflug 2006 アウフヘーベン (gallery OPEN DOOR/東京)
 
2007 
アートプログラム青梅 2007 出会いのよりしろ(青梅/東京) 
KOSHIKI ART EXHIBITION 2007 (甑島/鹿児島)
 
2008 
Mix Up!! (TURNER GALLERY/東京) 
Not Found (FARM the salon for art/東京)
NEXT DOOR vol.6(T&G ARTS TOKYO/東京)
Exit exhibition#1(ARTZONE/京都) 
 
2009 
AMUSE ARTJAM 2009 (京都文化博物館/京都) 
KOSHIKI ART EXHIBITION 2009(甑島/鹿児島)
 
2010 
CAMABOCO (東京造形大学/東京)
KOSHIKI ART EXHIBITION 2010 (甑島/鹿児島)
 
2011 
KOSHIKI ART EXHIBITION 2011 (甑島/鹿児島)
あなたはいま、まさに、ここにいる(3331 Arts Chiyoda/東京) 
アイムアダイバー (island ATRIUM/千葉)
あなたはいま、まさに、ここにいる(CCC/静岡) 
 
2012 
あなたはいま、まさに、ここにいる(京都芸術センター/京都) 
Wall/Floor/Window(東京造形大学10号館1F CSギャラリー/東京) 
TRANS ARTS TOKYO (旧電機大学11号館/東京)
新築 (GALLERY HIRAMINE/鹿児島)
KOSHIKI ART EXHIBITION 2012 (甑島/鹿児島)
 
 
平嶺 林太郎[Rintaro Hiramine]
 
1983  鹿児島県出身 
2006  東京造形大学美術学科絵画専攻卒業 
2008  東京造形大学大学院美術研究領域修了 
 
Exihibitions 
 
2004 
「甑島で、つくる」-十五人の展覧会-(甑島/鹿児島)
 
2005 
「甑島で、つくる」(甑島/鹿児島)
 
2006 
KOSHIKI ART EXHIBITION 2006 (甑島/鹿児島)
 
2007 
アートプログラム青梅 2007 出会いのよりしろ(青梅/東京) 
KOSHIKI ART EXHIBITION 2007 (甑島/鹿児島)
 
2008 
KOSHIKI ART EXHIBITION 2008(甑島/鹿児島)
Mix Up!! (TURNER GALLERY/東京) 
NOPROGRAM (TURNER GALLERT/東京)
Exit exhibition#1(ARTZONE/京都) 
食堂ビル1929 –食と現代美術part4(BankART / 神奈川)
 
2009 
KOSHIKI ART EXHIBITION 2009(甑島/鹿児島)
New art,Fresh discoveries(秋葉原UDX/ 東京)
WORM HOLE episode 11”(magical, ARTROOM/ 東京)
hybrid(Art Center Ongoing/ 東京)
rgb+ exhibition vol.1(ZOKEI Gallery/ 東京)
 
 
●添付画像キャプション
 
 
 
会場:
 
TRAUMARIS|SPACE
〒150-0013 渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 3F 
TEL 03-6408-5522 月曜休 
火〜土16:00-24:00(日曜14:00-22:00)
 
URL:http://www.traumaris.jp
info@traumaris.jp(住吉、室、横山)
 
 
 
 
 
 

 

 

 

大舩真言「Subconscious」 

夏休みスペシャル企画

“Subconscious” Sound and Space

 
 

大舩真言「Subconscious」の展示空間では、
あまりに清涼な空気に訪れる人は息をのみ、
深い安らぎを得て帰られます。

8/18(日)その静謐な空間で雅楽のライヴをおこないます。 
 
蒸し暑い外とは別世界の涼やかな展示室は、
さらに奥行きのある幽玄の世界に誘われるはず。
 
夏の日の落ちるころ、光のうつろいと共に、
笙の音色と岩絵の具の藍色はどのように呼応するでしょうか。

 

日時:8月18日(日)
   17:00 開場
   18:00 開演(1 stage)

料金:2,000円(w/ 1 drink)

出演:田島和枝(笙)
   大塚惇平(ヴォイス)
 
 

プロフィール:
 

田島和枝 Tajima Kazue
 
笙と、正倉院復元楽器・竽(う)の演奏。笙を豊英秋(元宮内庁楽部主席楽長)、宮田まゆみ、石川高に、古代歌謡と雅楽合奏を芝祐靖、右舞を豊英秋の各氏に師事。

国立劇場雅楽公演、八ヶ岳高原音楽祭、タングルウッド音楽祭、ウィーン現代音楽祭、薬師寺観月祭、坂本龍一・地雷ゼロキャンペーン、岡野玲子・陰陽師CD参加等、雅楽古典曲から現代曲まで多方面で演奏する。
笙一管での調子の演奏をライフワークとし、またソロ活動として様々な演奏家と共演。「おとのひとひら」主宰。「伶楽舎」に所属。
http://tajimakazue.jp/
 
 
 

arsya.jpg

 



 
大塚惇平 
 

ヴォイスパフォーマンスの活動を通して笙の響きの世界と出会う。
田 島和枝に笙を師事。雅楽の音宇宙に魅せられ、古典の演奏、研究を行いつつ、
現代音楽や即興演奏など、笙という楽器の可能性を広げるべく探求している。
雅楽古典では特に「調子」の笙一管での演奏の可能性を追求している。
最近では、陶芸家ヴェロニカ・シュトラッサー個展、屋久島益救神社、
平河町ミュージックス、浅草公会堂邦楽爛漫など、様々な場所で
精力的に活動を行っている。
 
 
 
 
プロフィール写真.jpg
 
 
 

開催中の展示
 
大舩真言 展
Subconscious 
 
7月31日(水)〜8月25日(日)

夏期休廊 8月11日(日)〜14日(水)

TRAUMARIS|SPACE(恵比寿NADiff apart 3F)



 
OFUNE_VOID.jpg
「VOID σ 」φ75cm 2012 岩絵具、顔料、麻紙 ©Ofune Makoto
 
 
TRAUMARIS|SPACEでは、この盛夏、滋賀県をベースに活動する美術作家、大舩真言の個展を涼やかに開催いたします。

大舩は、伝統的な日本画材や隕石などを、平面あるいは半立体の造形物に定着させた作品を制作し続けてきました。
天然の鉱物から作られる岩絵具の美しさと特性を生かし、水や光や空気など、いつもそこにありながら漠としてとらえどころのない自然が、揺らぎ、振動し、渦を巻くさまを表現しています。
ギャラリーのみならず、国内外の歴史的建造物やお寺、湖のほとりなどに設えられた作品の佇まいは、まるで時空間をすりぬける窓のように、空(くう)を切りとり、宙(そら)を覗きこむ、「虚」の空間をつくり出します。
岩絵具ならではの深い色あいや光の吸収拡散も手伝い、見る者の視線の動きと意識は、時のうつろいに感応し、時間的・空間的奥行きの遥か彼方に思いをはせる、映像的ともいえる体験をします。
カフェを併設したチャレンジングなアートスペースであるTRAUMARISでは、これまでのストイックな空間とは趣を異にし、生活環境と隣り合わせの展示空間となります。うっすらと光の入る白い空間に、ぽっかりと蒼い「虚空」が現われ、せいせいとした清涼な空気感をつくりだします。

TRAUMARIS 主宰アートプロデューサー・ライター
住吉智恵
 
会場:
TRAUMARIS|SPACE
〒150-0013 渋谷区恵比寿1-18-4
NADiff A/P/A/R/T 3F 
TEL 03-6408-5522 
月曜休 火〜土16:00-24:00(日曜14:00-22:00)


info@traumaris.jp

http://www.traumaris.jp


 
 
プロフィール:
 
大舩 真言 Ofune Makoto
 
1977       大阪府に生まれる
 
2000       京都教育大学特修美術科日本画専攻卒業
 
2001       同大学研究科終了
 
 
 
<主な個展>
 
2002    「形なきカタチ」space alternative gallery(京都)
 
        「sanzui」同時代ギャラリー(京都)
 
2003    「心水」neutron(京都)
 
        「心水」ギャラリーGAN(東京)                     
 
2004    「eternal」neutron(京都)
 
        「eternal」ギャラリーGAN(東京) 
 
        「宙心」ぎゃらりかのこ(大阪)
 
2005    「La mer du coeur」gallerie Akie Arichi(パリ)
 
        「大舩 真言展」永井画廊(東京)        
 
    FROM ZERO TO ZERO」アートスペース感(京都)         
 
2006    「大舩 真言展」 画廊編(大阪)
 
        「大舩 真言展」neutron(京都)
 
2007    「time-moment-time」neutron(京都)
 
2008    「どこでもない場所」アートスペース感(京都)
 
2009    「Prism」neutron tokyo(東京)
 
        「Principle」neutron(京都)        
 
2010    「WAVE」neutron tokyo(東京)
 
2011    「COLORS OF SEASONS –第26回国民文化祭-」京都芸術センター北ギャラリ-(京都)
 
2012    「巡り-2012」ギャルリー正觀堂(京都)
 
        「旅する内面- Voyage Intérieur」galleryサラ(滋賀)
 
2013 「大舩真言 展Subconscious」TRAUMARIS|SPACE(東京)
 
 
 
<主なグループ展>
 
2004    「Art Paris」carrousel du Louvre(パリ)        
 
   「gallerism 2004」大阪府立現代美術センター(大阪)
 
2006    「Art Court Frontier 2006」ARTCOURT Gallery(大阪)
 
   「うごめくこころ」ボーダレス・アート・ミュージアムNO-MA(滋賀)
 
2007    「ART RAINBOW PROJECT」ロストック市美術館(ロストック,ドイツ)
 
   「BIWAKOビエンナーレ2007」(滋賀)
 
2008    「point ephemere」Bunkamura Gallery  (東京)
 
2009    「1 Puissance infini」Espace Topographie de l'art(パリ)
 
2010    「物からモノへ」京都大学総合博物館(京都)
 
        「アートフェア東京」東京国際フォーラム  (東京)
 
   「BIWAKOビエンナーレ2010玉手箱-Magical World-」(滋賀)
 
        「物気色-MONOKEIRO」虚白院(京都)
 
2011    「Shuffle|シャッフル展」白金アートコンプレックス  (東京)
 
        「Repères」Espace Topographie de l'art(パリ)
 
        「物気色11・11」遊狐草舎(京都)
 
2012      「建築と無常- Architecture et Impermanence」関西日仏学館(京都)
 
               「隠喩としての宇宙」HOTEL ANTEROOM KYOTO(京都)
 
        「Summer Show」ギャラリー小柳(東京)
 
        「うつせみ」常懐荘(愛知)
 
        「うたかた」アートラボあいち(愛知)
 
        「BIWAKOビエンナーレ2012」村雲御所 瑞龍寺門跡(滋賀)
 
        「ニュイ・ブランシュ KYOTO 2012」アンスティチュ・フランセ関西(京都)
 
2013 「pink noise」GALLERY CAPTION(岐阜)
 
       「Art Basel」Messe Basel(バーゼル)
 
     「Paintings」 ギャラリー小柳(東京)
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回の展覧会
 
田中麻記子 「sweet chakra」
 
会期:2013年8月27日(火)〜9月8日(日) 
 
オープニングレセプション:8月28日(水)18:00〜22:00 
壮行会&クロージングライヴ:9月7日(土)詳細下記
 
 
 
 
lori.jpg
「crystal haze 」2012年 498x650mm パネルにパステル、鉛筆 ©Makiko Tanaka
 
 
 
 
モノクロームの洞窟から抜け出し、
喉元でより意識的に光を感じると 
後頭部から 複雑な なないろが 湧き出てる 
それをパレットにして なまの にんげん や 
オブジェを デッサンする
そうすることによって モノクロの超現実と、
どこかでつながりはしないだろうかの、実験。 
 
田中麻記子
 
 
 
TRAUMARIS|SPACEでは、この秋より文化庁派遣在外研修員としてフランスに滞在する美術作家、田中麻記子の渡仏直前となる個展を開催します。
 
田中がこれまで描いてきたのは、作家と等身大の若い女性の、日夜刻々とゆらぎ、変化していく夢や理想郷を描いた情景です。現実と幻想の中間世界を、シュルレアリスムの手法でオートマティックにとらえ、デリケートな鉛筆やパステルの細密画に表現してきました。 
 
シュルレアリスム芸術に強く影響を受けた田中は、20世紀にシュルレアリストたちによって再発見され、1960年代に文化施策として復刻されたフランス・パリ近郊の奇想庭園に、近年新たな創作のヒントを見い出しました。
それは「夢の具現化」「幻想と現実の錯綜する場所」としての庭園と森であり、その写真や模写からイメージを発展させていく手法でした。
 
庭園は、四季を通じて刻々と造り替えられる人造の楽園です。そのデザインと構造には、造園された当時の人々にとっての理想郷と、その後の時代の人々の理想や夢が反映されています。
20世紀の庭園建築と都市計画の歴史のなかでも、この奇想庭園への着目と再評価は特異な現象であり、そこにはヨーロッパの人々を支配してきたキリスト教的世界観から逸脱し、より複雑怪奇な人間心理の探求を目指した、モダニズムのあだ花ともいえる精神的背景を見ることができるでしょう。
 
フランスでの研修において、田中はこの庭園と森の細部に分け入り、年間を通した風景の変化、植物の剪定や植え替え、訪れる人々の様子などをつぶさに観察し、撮影・模写する計画です。それによって、人間の意識下に潜む「理想と現実の混濁」に肉迫し、新たに湧きおこる創作のモチベーションをとらえようとしています。
 
渡航前に仕上げた新作では、さらに生身の人間らしい視点で眼前にあるものをとらえ、ふさわしい色をほどこすという、絵画的にはベイシックな方法を試み、虚実のあわいにある絵画世界を探っています。
彼女のなかで湧きあがるモチーフや物語の断片以上に魅力的なのは、画面をあまねく満たする濃厚な甘い「匂い」。ときに楽器の音色のように震え、女性のみならず、すべての大人のロマンティシズムに響くことでしょう。
 
ぜひともご来場いただき、各種メディア、ブログ、Facebook、Twitterなどで、広報周知にご協力をよろしくお願い申し上げます。
 
 
TRAUMARIS アートプロデューサー・ライター
住吉智恵
 
 
● 会場
 
TRAUMARIS|SPACE 
〒150-0013 渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 3F  
TEL 03-6408-5522 月曜休 
火〜土16:00-24:00(日曜14:00-22:00)
info@traumaris.jp
http://www.traumaris.jp
 
 
 
●プロフィール
 
 
田中麻記子  Makiko Tanaka
 
1975年東京都生まれ。
2013年9月より文化庁派遣在外研修員としてフランスに滞在予定。
 
 
おもな個展:
 
2013  「plus profond」hpgrp GALLERY」東京(東京)
2012  「Aurora vs Portrait」hpgrp GALLERY」東京(東京)
2011  「Colour Spell」 hpgrp GALLERY」東京(東京)
2011  「Toile et Papier」 新宿髙島屋10階美術画廊(東京)
2010  「Pink cave / Black ray」ギャラリーエム(愛知)
2010  「Le pollen」 hpgrp GALLERY 東京(東京)
2009  「Les sirènes ~人魚さま~」Mizuho Oshiroギャラリー(鹿児島)
2009  「kiwi & guava」GALLERY at lammfromm/ lammfromm The Concept Store(東京)
2009  「ROSE TUNING」hpgrp GALLERY東京
2008  「wink」 ギャラリーエム(愛知) 
2008  「sign/kehai」 hpgrp GALLERY 東京(東京)
2008  「La deuxieme chambre」 東京日本橋髙島屋6階美術画廊X(東京)
2007-2008  「La chambre」 新宿髙島屋10階美術画廊(東京)
2007  「Lesson:1」Mizuho Oshiro ギャラリー(鹿児島)
2007  「Le musee des actrices~女優博物館~」
2007  H.P.FRANCE WINDOW GALLERY/MARUNOUCHI(東京)
2006  「escape from fantasy」 GALLERY MoMo (東京)    
2006  GALLERY at lammfromm/ lammfromm The Concept Store(東京)
 
 
おもなグループ展
 
2011  「The Fruits of Adventures」 ツァイト・フォト・サロン(東京)
2011  「Our Favorites Part.2 -Photographs and Paintings-」 ツァイト・フォト・サロン(東京)
2010   「SUMMIT OF THE SIX」Vanguard Gallery (上海)
2009   「neoneo展 Part2 [女子] 」高橋コレクション日比谷(東京) 
2009   「第12回岡本太郎現代芸術賞展」川崎市岡本太郎美術館(神奈川) 
2007   「日本現代芸術祭」ヘイリ芸術村(韓国)   
 
 
受賞
 
2009年 第12回岡本太郎現代芸術賞入選
 
 
コミッションワーク / プロジェクト / その他
 
2009  髙島屋店舗にて鉛筆画作品をモチーフにデザインされたゆかたを発表。
2009  「髙島屋 第五十七回 上品會」鉛筆画作品をモチーフにデザインされた着物を発表。
2007~  ファッションデザイナー”harcosale”とコラボレーションし”harcosale with maki”にて作品発表
 
 
書籍
 
千葉由美子「アーティストの可能性を広げる」『Life is Art. Art is Life. アートで生きる』
2010年3月23日 pp.92-99
 
 
定期刊行物
 
「「音楽」のように体感する、絵画 田中麻記子展sign/kehai」『アート・トップ』2008年5月号 pp.100-101
「現代美術の歩き方 今月の一品」『美術の窓』2008年3月号 p.109 
「HAPPY BRANDING 2007 band 1 ハルコセール」『STUDIO VOICE』OCTOBER 2007 VOL.382 p.140
「CONTEMPORARY ART REVIEW 現代美術のみかた/田中麻記子~女優博物館~」『美術の窓』2007年5月号 P.146
 宮村周子「ART&ENTERTAINMENT/田中麻記子個展 『女優博物館』」『SWITCH』 No.4 vol.25 2007年4月p.191
 宮村周子「art/今月のアートなお買い物 田中麻記子のネイル・アート」『marie claire』No.47 2007年4月号 p.128
 宮村周子「Gallery Review/GALLERY at lammfromm」『美術手帖』2006年12月号 P.255
 
 
カタログ
 
田中麻記子「3’P’C」『マリー・アントワネット』発行:アートデイズ、2007年 pp.70-71
 
 
インターネット / マガジン
 
住吉智恵「展覧会レーティング&レビュー 田中麻記子『Le pollen』」『ART it』
http://www.art-it.asia/u/reviewa6/iU7q0f3odtvXSB2pE9bw
 
 
 
●壮行会&クロージングライヴ
 
9月7日(土)
開場:18:30
開演:19:30
入場料:2000円(1drink込み)
 
出演:
 
鈴木亜紀
三村京子
狩生建志
耕造unit
 
 
出演者プロフィール:
 
 
鈴木亜紀(スズキアキ)
 
女子シングル自由型ピヤノ弾き語り。港町うまれの作詞作曲演奏者。
独自の視点で人や自然を見つめ、どこまでもオリジナルな詩とメロディーを
自由奔放なピアノに乗せて歌う。写真、文筆、スペイン語翻訳など、
表現手段は音楽のみにとどまらない。
国内ではピアノがあれば『ラーメン屋でもふぐ料理屋でも』出かけていって歌う、
精力的なライブ活動のほか、国外での活動では、2006年アルゼンチン国立図書館にて
写真展とリサイタルを行い、現地新聞にその世界観について『現代の女芭蕉』と称される。
 
 
三村京子(ミムラキョウコ)
 
‘08年『東京では少女歌手なんて』、’10年『みんなを屋根に』を自主制作。詩人/サブカル評論家・阿部嘉昭氏や詩人・杉本真維子氏らとコラボして楽曲制作。ベーシスト・船戸博史氏をサウンドプロデュースに。
ルーツ音楽からストレンジメロディまで、Jポップにはない人間的な声で唄う姿は、カラフルな音楽性とともに幅広いファンを魅了した。
 
 
狩生建志(カリウケンジ)
 
作曲。活動歴10年の8人バンド「俺はこんなもんじゃない」で、独自の音楽を追究(ギターを演奏)。3枚のアルバムを発表、米ツアaーをおこなう。また「KK」「KK2」の二枚のソロアルバムではコラージュ、フォーク・ロック的な音楽を志向。近年はCMやイヴェントの音楽を多数制作。
https://sites.google.com/site/kariukenji/
 
 
耕造unit (コウゾウユニット)
 
zycos, con season のDr, kohzo komori による特別ユニット
http://kohzoblog.blog129.fc2.com/
 
 
 
 
 
 
bolan.jpg
「B-BOP」2012年 332x240mm パネルにパステル、鉛筆 ©Makiko Tanaka