終了 自由について3 ―高橋恭司 Mrs.Yuki

 

 

 

自由について 3
— 高橋恭司 Mrs.Yuki
 
 
 
会期:2013年9月10日(火)〜10月6日(日)
オープニング:9月12日(木)18:00〜22:00
 
会場:TRAUMARIS|SPACE(恵比寿 NADiff apart 3F)
制作協力:株式会社槙田商店、株式会社バンデサイン
 
 
 
 
 
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©Kyoji Takahashi
 
 
 
 
TRAUMARIS|SPACEでは、企画展シリーズ「自由について3 —高橋恭司 Mrs.Yuki」を開催いたします。
写真家・高橋恭司(1960年〜)は、1990年代より広告や雑誌などの媒体で活躍し、晩年の詩人チャールズ・ブコウスキーがタイトルを付けたことでも注目された最初の写真集『THE MAD BROOM OF LIFE』以来、途中10年ほど大きな動きの見えない時期を経て、写真表現に身を投じ続けています。
彼にとって写真とは、連想の断片が連続し、彷徨していく表現活動であって、あくまで「目的や価値と関係ないこと」「テーマ性、物語性をもたないこと」をスタンスとして維持してきました。現実世界から丁寧にすくいあげた事象をただ撮ること、それが自身の仕事であり、主張なく選ばれたカットに、あとから意味やタイトルが繋がっていったといいます。
2009年以降は「写真を展示すること」にそれまでにない刺激と意欲とを感じはじめた高橋は、再び立て続けに写真集を発表します。
また同時に、レーザープリントでイメージを反復させるL-Printの手法に着手。「模像を反復で飛び越える」ことによって生まれる、単なる劣化ではない、際どいテクチュアの面白さを模索しています。
本展では、日常の素朴な光景や観光地の土産物屋にありがちな「富士山と松」に象徴される牧歌的なモチーフをとらえた写真を、ジャガード織りにしたテキスタイルと、L-Printによるコラージュを発表します。
時代の移り変わりや写真を取り巻く状況の変化に寄り添うでもなく、ただ自由奔放な関心と写真表現が重なりあうところで、創作のフィールドを獲得してきた高橋恭司の姿勢と足跡から、若い世代はなにかをつかむでしょうか? 
 
 
Mrs.Yuki[平嶺林太郎(1983年〜)・大久保具視(1982年〜)]は、ボールパイソン(にしきへびの一種)の育成・繁殖を通して、生命体の本質とあり方を問う新進気鋭のアートユニットです。
ボールパイソンは、遺伝子の組み合わせによって模様や色彩が突然変異する現象がとくに多様に見られる生物です。その無限の可能性を秘めた美しさと稀少さは、市場価値を絶えず変動させ、コレクター・ブリーダーの情熱と欲望を刺激し続けているといわれます。
Mrs.Yukiは、そうした遺伝因子を持つ個体(ヘビ)を実際に飼育し、人為的自然交配によって、新たな品種の改良と血統の継承をこころみます。
これまでに発表した、ありふれた家具とボールパイソンの育成繁殖空間が交わる装置は、極めてエレガントな実験室でした。
そこでは遺伝という生命現象によって生まれる存在価値の優劣や区別の意識が、ほぼ完全に人間のコントロール下にあって、人造物の家具に保護されていながらも、もはや大きな意味では自然の延長とも感じられました。
「世界を俯瞰してみれば極めて正常な現象」と彼らが言うように、ポールパイソとその品種改良のもつ魅力に抗えず、おびき寄せられる人間の存在がある限り、操作する側/される側の反転と連環は、永遠に終わることはありません。
私たちはそこに、身体性の変化や拡張が、人間の自由意志の及ばない「神の領域」から解放されつつある、現代科学の状況を垣間みることもできるでしょう。
それはまさに、ヘビにそそのかされて楽園から追放され、原罪と自由とを同時に獲得した人間の行方をも占う実験といえるかもしれません。
白い子ヘビは虚ろな瞳で無邪気にそれを眺めています。
 
 
ぜひとも本展について、各種メディア、ブログ、Facebook、Twitterなどで、広報周知にご協力をよろしくお願い申し上げます。
 
 
TRAUMARIS アートプロデューサー・ライター
住吉智恵
 
 
 
 
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©Mrs.Yuki
 
 
 
●プロフィール:
 
高橋恭司
 
写真家
1960年 栃木県益子町生まれ。
 
Exhibitions
 
1992「Straight Photographs..Kyoji Takahashi 」
   コンテンポラリーアートスペース. 日本橋高島屋
1994「The Mad Broom of Life 」パルコギャラリー東京
1995「L'equipe du MOIS DE LA PHOTO A MONTREAL 1995」モントリオール
1996「ニュー・ジャパニーズ・フォトグラフィー1990's[無意識の共鳴]」
   横浜市民ギャラリー
2000「Elysian Fields 」Centre Pompidou ポンピドゥーセンター
2004「コモン・スケープ/今日の写真における、日常へのまなざし」
   宮城県美術館
2013「ブルーブルー」新宿高島屋美術画廊
 
Books
 
1994「Mad broom of Life 」用美社
1996「Takahashi kyoji 」光琳社
1997「Life goes on 」光琳社
2009「煙影」「境間」「流麗」リトルモア
 
 
 
Mrs.Yuki[平嶺 林太郎・大久保 具視]
 
http://mrsyuki.web.fc2.com/index/Mrs.Yuki.html
 
平嶺林太郎と大久保具視による、ボールパイソンの育成を通して、生命体の本質とあり方を問うアートユニット。
 
 
2009 
Mrs.Yuki 結成
 
2010 
rgb+(東京造形大学 ZOKEI Gallery/東京)
HABU+JIM(東京造形大学 CS PLAZA/東京)
 
2013 
物質と彫刻 −近代のアポリアと形見なるもの− 展(東京藝術大学陳列館/東京)
Identity IX −curated by Reiko Tsubaki−(日動コンテンポラリーアート/東京)
life-life(CAPSULE/東京)
 
 
大久保 具視[Tomomi Okubo]
 
1982  神奈川県出身
2006  東京造形大学美術学科絵画専攻卒業 
2008  東京造形大学大学院美術研究領域修了 
 
Exihibitions 
 
2006 
KOSHIKI ART EXHIBITION 2006 (甑島/鹿児島)
Abflug 2006 アウフヘーベン (gallery OPEN DOOR/東京)
 
2007 
アートプログラム青梅 2007 出会いのよりしろ(青梅/東京) 
KOSHIKI ART EXHIBITION 2007 (甑島/鹿児島)
 
2008 
Mix Up!! (TURNER GALLERY/東京) 
Not Found (FARM the salon for art/東京)
NEXT DOOR vol.6(T&G ARTS TOKYO/東京)
Exit exhibition#1(ARTZONE/京都) 
 
2009 
AMUSE ARTJAM 2009 (京都文化博物館/京都) 
KOSHIKI ART EXHIBITION 2009(甑島/鹿児島)
 
2010 
CAMABOCO (東京造形大学/東京)
KOSHIKI ART EXHIBITION 2010 (甑島/鹿児島)
 
2011 
KOSHIKI ART EXHIBITION 2011 (甑島/鹿児島)
あなたはいま、まさに、ここにいる(3331 Arts Chiyoda/東京) 
アイムアダイバー (island ATRIUM/千葉)
あなたはいま、まさに、ここにいる(CCC/静岡) 
 
2012 
あなたはいま、まさに、ここにいる(京都芸術センター/京都) 
Wall/Floor/Window(東京造形大学10号館1F CSギャラリー/東京) 
TRANS ARTS TOKYO (旧電機大学11号館/東京)
新築 (GALLERY HIRAMINE/鹿児島)
KOSHIKI ART EXHIBITION 2012 (甑島/鹿児島)
 
 
平嶺 林太郎[Rintaro Hiramine]
 
1983  鹿児島県出身 
2006  東京造形大学美術学科絵画専攻卒業 
2008  東京造形大学大学院美術研究領域修了 
 
Exihibitions 
 
2004 
「甑島で、つくる」-十五人の展覧会-(甑島/鹿児島)
 
2005 
「甑島で、つくる」(甑島/鹿児島)
 
2006 
KOSHIKI ART EXHIBITION 2006 (甑島/鹿児島)
 
2007 
アートプログラム青梅 2007 出会いのよりしろ(青梅/東京) 
KOSHIKI ART EXHIBITION 2007 (甑島/鹿児島)
 
2008 
KOSHIKI ART EXHIBITION 2008(甑島/鹿児島)
Mix Up!! (TURNER GALLERY/東京) 
NOPROGRAM (TURNER GALLERT/東京)
Exit exhibition#1(ARTZONE/京都) 
食堂ビル1929 –食と現代美術part4(BankART / 神奈川)
 
2009 
KOSHIKI ART EXHIBITION 2009(甑島/鹿児島)
New art,Fresh discoveries(秋葉原UDX/ 東京)
WORM HOLE episode 11”(magical, ARTROOM/ 東京)
hybrid(Art Center Ongoing/ 東京)
rgb+ exhibition vol.1(ZOKEI Gallery/ 東京)
 
 
●添付画像キャプション
 
 
 
会場:
 
TRAUMARIS|SPACE
〒150-0013 渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 3F 
TEL 03-6408-5522 月曜休 
火〜土16:00-24:00(日曜14:00-22:00)
 
URL:http://www.traumaris.jp
info@traumaris.jp(住吉、室、横山)