終了 第6回恵比寿映像祭 地域連携プログラム 関本幸治 展「羽のない妖精」

 

 

第6回恵比寿映像祭 地域連携プログラム参加
 
関本幸治 展「羽のない妖精」
 
 
会期:2014年2月5日(水)〜3月2日(日)
NADiff合同オープニング:2月8日(土)18:00〜22:00
会場:TRAUMARIS|SPACE(恵比寿NADiff apart 3F)
 
 
 
 
 
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羽のない妖精 A Fairy without Wings   2014
©Koji Sekimoto
 
 
 
TRAUMARIS|SPACEは、例年の通り「第6回恵比寿映像祭」
(東京都写真美術館 主催)に地域連携プログラムとして参加致します。
 
関本幸治は、女性の人形とその衣装や背景を、自身の手で丹念に制作し、
それらを設えたセットを撮影します。写真と映像によって、若い女性の
微かに揺らぐ感情や曖昧なシチュエーションを、短編小説のように端正
に表現してきました。
黄金町の一角にある彼のスタジオはさながら小さな写真館です。
断片的な物語の想像から始まるその制作過程は数ヶ月を要しますが、関
本にとっては「イメージすること、作ること」が独りの楽しみであり、
「あいかわらず馬鹿っぽい、密かな『ムヒムヒ感』を味わっています」
(関本)と、その安定した心境を語ります。
 
近年、男性の視点で若い女性の理想の姿を再現した等身大の人形といえ
ば、日本が誇る精緻な技術を駆使した「ラブドール」が思い浮かびます。
独身者のための道具に過ぎなかったかつてのダッチワイフとは全く次元
の異なる、生身の人間を超えた完璧な容姿をもち、心から癒しを与えて
くれるライフパートナーとして好事家に愛される「ラブドール」。その
成立ちには、関本の制作の原点を思わせるヒントがあります。
作家1人の楽しみにより息を吹き込まれ、やがて虚実の境界を侵蝕する
ほどの人形の存在感は、戯曲「マイ・フェア・レディ」の由来でもある
ギリシャ神話の「ピグマリオン」伝説を彷彿させます。
関本がつくりだす個性的な顔立ちと複雑な表情をもつ人形と、彼女を取
り巻く日常の小さなドラマは、映像というフレームのなかで無限の広が
りをもちはじめるのです。
 
本展では未発表作品3点をご紹介します。
無数のキャンドルが灯る部屋の、テーブルの下の秘密基地で、心地よさ
げに開放感を味わうひと。
鏡に向かって、上手に笑う練習を繰り返すひと。
まだ暗い早朝の森にたたずむ、羽のない妖精のようなひと。
これは作家が滞在したフィンランドや国内の森で、苔や羊歯やきのこが
群生する生態系から感じた「ムーミンにでてくるニョロニョロのような、
奇妙な生き物がいても不思議のない」(関本)雰囲気を再現しようと試
みた作品です。
いずれも、古ぼけた壁紙を張った仮設の壁面に仕込まれたモニターやフ
レームで展示され、鏡や窓の外を覗き込む仕草を通して、時間や次元を
遡り、記憶を甦らせる「虚実皮膜」(関本)をつくりだそうとしていま
す。
またその情景は、関本が日頃スタジオのセットで作品を撮影していると
きの「ムヒムヒ感」(関本)を再現するインスタレーションともなって
います。
 
作家は今年2014年のヨコハマトリエンナーレにて、BankARTでの企画
展にも参加予定です。
 
TRAUMARIS アートプロデューサー・ライター
住吉智恵
 
 
 
プロフィール
 
 
関本幸治  Sekimoto Koji
 
http://kojisekimoto.web.fc2.com/
 
1969 神戸生まれ
1992 愛知県立芸術大学 美術学部 美術科 油絵専攻卒業
1994 同大学大学院修了
1996 渡欧(ケルンにて制作活動)
1997 ケルンメディア美術大学(ユルゲン・クラウスの聴講生)
2003 東京で制作活動
2009 横浜で制作活動
 
 
主な個展
 
2012 もうひとりのわたし / C.A.P. 神戸
2008 鏡の中の左回りの時計 The Backwards Clock in the Mirror 
    / アートテック美術館、ケルン
2002 私の愛らしい罪  Mon péché mignon 
    / マーティン・クドレック ギャラリー , ケルン
   ロミオと Romeo and , / Studio J, 大阪
   とジュリエット ,and Juliet / Òn Gallery, 大阪
2001 フレッシュ・アズ・ア・デイジー Fresh as a Daisy 
    / A/T FLAG SHOP 代官山 , 東京
   ポワントとバランス Pointe et Balance / Studio J ,大阪
   魅惑のメロディ Charm Melody / OTA FINE ARTS , 東京
2000 傘の下で Under the Umbrella 
    / マーティン・クドレック ギャラリー , ケルン
   密やかな日常 Hush-Hush Days / OTA FINE ARTS , 東京
1999 エイト・スト−リ− 8 Stories / OTA FINE ARTS , 東京
    (同時開催 前川知美展)
 
 
主なグループ展
 
2013 アジア・セレンディピティ 
    / Sala de exposiciones San Benito, Valladolid, Spain
    La Térmica, Málaga, Spain
   BankART Artist in Residence OPEN STUDIO 2013 
    / BankART1929、横浜
2012 第15回フォト・エスパーニャ2012 アジア・セレンディピティ 
    / スペイン・マドリッド / フェルナン・ゴメス劇場
2011 黄金町バザール2011/Choosing clothes for my journey 
    / 高架下新スタジオ他、横浜
   SHIBUCulture/西武渋谷、東京
   激凸展 /unseal contemporary, 東京
   DECWAS" Shizuoka x Bremen art Project 
    /Mackenzie House, 徳願寺, Gallery Psys, 静岡
   写真新世紀 大阪展 2011 / アートコートギャラリー、大阪
2010 東京展2010 New Cosmos of Photography 2010 
    / 東京写真美術館, 東京
   黄金町バザール2010 ドリームマシーン DreaMachine
    / 日ノ出竜宮、横浜
2009 黄金町バザール2009 / ヤグチレジデンス、横浜
   はないかだ / 創造空間9001、横浜
   写真新世紀  大阪展2008 New Cosmos of Photography 2008 
    / アートコートギャラリー、大阪
   仙台展2008 New Cosmos of Photography 2008 
    / せんだいメディアテーク、仙台
2008 東京展2008 New Cosmos of Photography 2008 
    / 東京写真美術館, 東京
   我が家で展覧会を開きます Exhibition from HOMAM, 2008
   (蜂谷充志、持塚三樹、横山飛鳥他) / 旧マッケンジー邸, 静岡
2007 我が家で展覧会を開きます Exhibition from HOMAM, 2007
   (蜂谷充志、春日聡、鈴木康広他) / 旧マッケンジー邸, 静岡
2006 少女 Mädels (平川典俊, ローズマリー・トロッケル、フィリックス・     
   シュテファン・フーバー、カラマン他) 
    / ガブリエル・リベット、ケルン
2005 シフティング モメンツ Shifting Moments(二人展 エバ・キャスト
    リンギュス)/マーティン・クドレック ギャラリー, ケルン
2002 パ・ド・ドゥ Pas de deux (二人展 ティナ・ハーゼ)
    / ケルン日本文化会館 , ケルン
   3年展 3 Jahren / マーティン・クドレック ギャラリー , ケルン
2001 ベリー・ラスト The very Last (松井紫朗、鷲見 麿、カール・ボォァ
    マン、ティナ・ハーゼ 他) / ガブリエル・リベット , ケルン
   演出するケルンの写真のシーン2001 (二人展 エバ・キャストリング
    ス)Inszenierte Photographie zur Photoszene Köln 2001
    /マーティン・クドレック ギャラリー, ケルン
2000 ペーパーワークス Works on Paper (草間彌生、落合多武、奈良美
    智他) / OTA FINE ARTS , 東京
1998 チイサナイキモノ Little Creatures (フィッシュリ&ヴァイス、カタリ
    ナ・フリッチ、奈良美智、須田悦弘他 ) / ミハエル・ツィンク
    ギャラリー, レーゲンスブルク
1996 音のアート:ようこそ鏡の国へ Sound of Art : Welcome to Mirror 
    Land /(藤本由紀夫、島袋道浩、PHスタジオ他)
    / 岩倉市シンボルロード , 愛知
 
 
その他の活動
 
2012 FM Moov / “Spece Dog!, Radio” 神戸Sep.11
    ワークショップ/「カメラの中に入ろう」/ 清瀬けやきホール, 東京
    ワークショップ/「カメラの中に入ろう」/ C.A.P, 神戸
2011 アーティスト・トーク 北川貴好と関本幸治 
    /Koukashita Studio Site D,横浜
2010 +PLUS Tokyo Contemporary Art Fair
    / 東美アートフォーラム, Superstore lnc.
   Ryugu Project/ シンポジウムパネリスト/ A Stuio Hinode, 横浜
2009 アートフェア フォト台北2009 
    / ウエスティンホテル台北, Superstore lnc.
   NHK「TOKYO EYE #141」 / 横浜・黄金町(テレビ局取材)
   NHK「おはよう日本」 / 横浜・黄金町(テレビ局取材)
2008 U.Z.K/ケルン(ラジオ局取材) 弟19回 インターナショナル・フォト
    シーン・ケルン参加 / ケルン
   パフォ−マンス /「スティル・ナハト」大里東小学校六年一組 天野
    真梨子/ 旧マッケンジー邸, 静岡
   ワークショップ/「カメラの中に入ろう」/資生堂アートハウス, 静岡
2007 Center TV/ケルン(テレビ局取材)
2002 朗読会 / バルター・ブリックス&ユリア・アルテマン 
    / ケルン日本文化会館 , ケルン
   パフォ−マンス /「彼が私を好き」 シルビア・クソントス&パスカル・
    ボッソ /マーティン・クドレック ギャラリー , ケルン
    ランゲス・ナハト / ケルン日本文化会館 , ケルン
    ZDF / ベルリン (テレビ局取材)
    Love TV / 大阪(ケ−ブルテレビ局取材)
00-07 アートフェア ブリュッセル , フランクフルト , ケルン, パリ 
    /マーティン・クドレック ギャラリー
2000 朗読会 / トーステン・クレーマー(小説家)
    /マーティン・クドレック ギャラリー, ケルン
1999 朗読会 / 森川朋子(オペラ歌手)OTA FINE ARTS , 東京
 
 
出版物・アーティストページ等
 
2012 神戸新聞 Sep.22
2008 ケルナー・シュタット・アンツァイガー9月5日(Malina Opitz)
   ケルナー・ニュース・ジャーナル 9月(Martina Uckermann)
   ケルニッシェ・ルントシャウ10月18日 (Ursula Härtling)
   カタログ:アートテック2008 (Christiane Dinges)
04-05 ニューハウス 8月号〜1月号
2002 流行通信 , 2月号,p120,121,123,124 (住吉智恵)
   Memo , 4月号,p146 (ジョ−・スズキ)
   プリンツ、8月号
   ケルナー・シュタット・アンツァイガー
   カタログ:パ・ド・ドゥ (Dr.ラインハルト・エルメン)
2001 ケルナー・シュタット・アンツァイガー
   美術手帳 , 2月号 ,p73,80,136,137 (川原英樹)
   Ginza , 3月号
   流行通信 , 4月号,p108
2000 ケルナー・シュタット・アンツァイガー
   カタログ:密やかな日常Hush-Hush Days
 
 
 
● お問合せ
TRAUMARIS|SPACE
〒150-0013 渋谷区恵比寿1-18-4 
NADiff A/P/A/R/T 3F 
TEL 03-6408-5522 
月曜休 火〜土16:00-24:00(日曜14:00-22:00)
URL:http://www.traumaris.jp
info@traumaris.jp(担当:室、住吉)
 
 
 
 
TheSecretBase undertheTable.jpg
テーブルの下の秘密基地 The Secret Base Under the Table    2013
©Koji Sekimoto