終了 CLAUDIO COLUCCI展 invisible world


 

CLAUDIO COLUCCI展 

invisible world

 

 

会期:2013年10月9日(水)〜10月20日(日)
オープニング:10月11日(金)19:00〜22:00

会場:TRAUMARIS|SPACE(恵比寿NADiff apart 3F)


 

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photo: Nacasa & Partners


 

TRAUMARIS|SPACEではデザイナー、クラウディオ・コルッチによるインスタレーションを展示いたします。
 

クラウディオ・コルッチは、1965年スイス・ロカルノで、オーストリア人の母とイタリア人の父とのあいだに生まれ、ジュネーヴ、パリ、ロンドンでデザインを学びました。フィリップ・スタルクの事務所で働いた後、パリで共同オフィスを設立。その後、留学中のガールフレンドに会うために訪れた東京の文化と人々に惚れ込み、そのままIDÉEの専属デザイナーとして活動しはじめます。やがて1998年「CLAUDIO COLUCCI DESIGN」を設立、現在は、東京、パリ、ジュネーヴ、上海、北京のオフィスを拠点に、各国でインテリアやプロダクトのプロジェクトを手がけています。今春には、これまでの活動の集大成となる作品集「KALEIDOSCOPE」を出版、個展「COLOURISTIC!」を」を代官山ヒルサイドフォーラムで開催して注目を集めました。
 

「COLOURISTIC!」展でも展示された、キノコ型のガラスのフラワーベースは、光、色彩、映像を施すことで照明としても愛されてきた代表作です。しかし、そのキノコ雲を彷彿させるデザインに、常にハッピーでユーモアに溢れ、ときに官能的なビジュアルプレゼンテーションを心がけてきたクラウディオ個人の、原子力エネルギーに対する危機感が込められていたことを知る人は少ないでしょう。

天体物理学者Hubert Reevesが、2011年フランスの雑誌「La Vie」に寄せたテキストには、原子力についてこのように言及されています。

" It is a technology for the angels, too dangerous to entrusted to humans. In other words, we do not let children play with matches."

"それは、人類に委託するには危うい、天使たちのためのテクノロジーである。言い換えれば、我々は子供をマッチで遊ばせはしない。


このReevesの言葉に基づいて、クラウディオは自身の作品について以下のメッセージを綴っています。

Inspired by Hubert Reeves and by this simple maxim, I created an installation recalling the fragility of the nuclear threat and the temptation to man on this energy.

Through a random walk that reflects more a playground for children than imminent nuclear threat, a series of mushroom clouds composed the plan, colorful and friendly, designed like a Japanese manga.

The public is invited to walk through the installation without ever touching a single piece, so fragile it may explode has the least caress!

These 20 vases, "sculptures-sequences" are all different, each freeze a moment of the explosion. Each piece is made of transparent glass or fluorescent color.

ユベール・リーブスのシンプルな格言に触発され、私は、核の脅威と、原子力エネルギーの誘惑に対する人間の脆さを、観る人に喚起するインスタレーションを制作しました。差し迫った核の脅威を示すよりもむしろ多くのことを映しだす、子どもの遊び場のような、日本のマンガのようにカラフルで親しみやすい設計プランで、キノコ雲のシリーズのあいだをそぞろ歩く展示構成をしています。それぞれ異なる爆発の瞬間を凍結した、この半透明あるいは蛍光色のベースは、非常に注意深く扱わなければならない脆弱なものであり、観客は作品に触れずに空間を歩くように誘なわれます。
 

「COLOURISTIC!」展ではサイケデリックな蛍光色の光を帯びていたこの作品を、本展ではよりストイックなアプローチで展示することで、そのデザインコンセプトの輪郭をよりくっきりと伝えようと試みます。
仮設の棚に整然と設置されたベース(ランプ)は、微かなサウンドとほの白い光を放って、空間に浮かび上がります。その特徴的な「フォルム」と「色」が、観る人の感覚に与える“刺激”を通して、デザイナーである彼がこれまであえて言葉に置き換えようとしなかった"メッセージ"が、フィジカルに浸透することを企図します。

TRAUMARIS アートプロデューサー・ライター
住吉智恵

 

サウンドデザイン:TISSUE



● 会場:

TRAUMARIS|SPACE
〒150-0013 渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 3F 
TEL 03-6408-5522 
月曜休 火〜土16:00-24:00(日曜14:00-22:00)

URL:http://www.traumaris.jp
info@traumaris.jp

 

● プロフィール:

クラウディオ・コルッチ CLAUDIO COLUCCI

1965年スイス・ロカルノ生まれ。イタリア人の父とオーストリア人の母をもつ。 幼少期を大自然に囲まれたスイス・アルプス地方と南イタリアで過ごす。ジュネーブのデコラティブ・アート校のグラフィック・デザイン科を卒業後、パリのENSCI-les Atelier校にて工業デザイン、その後、交換留学生としてロンドン のキングストン工業大学でデザインを学ぶ。1996年より東京をベースに活動。1998年にクラウディオ・コルッチ・デザインを設立。商業空間インテリア、ディスプレイ、プロダクトデザイン、インスタレーション、グラフィック、アートなどを多岐にわたり手掛ける。ダイナミックな曲線と独特の色彩感覚、豊かな素材使いが織り成すユーモア溢れるデザインスタイル、上質な空間づくりに定評がある。 現在、日本、中国、フランス、スイスをベースにグローバルに活動中。主なクライアントに、Hermès、三井不動産レジデンシャル、GODIVA、IDÉE、KENWOOD、DOUTOR、Renault、Pirelli、GUZZINI、Chistofle、Agnes B等がある。

出展/受賞: シックアートフェア・パリ、マイアミ・バーゼルアートフェア、ギャラリーPerrotin、カルティエ財団現代美術館、ミラノサローネ国際家具見本市、ギャラリーFumi(イタリア・ポルトチェルボ/ロンドン)、ポンピドゥー・センター、サンフランシスコ近代美術館、ギャラ リーMitterand+Cramer、Tokyo Designers Week、メゾン・エ・オブジェ1999 クリエーターズ・オブ・ザ・イヤー受賞、エルデコ クリエーターズ・オブ・ザ・イヤー2003 等多数。

 

●会期中のイベント:


10月14日(月祝)
15:00〜17:30

キノコ型ガラスベースを使った、
花のワークショップ

講師:中村俊月(華道家、フラワーデザイナーSYUNKA)

参加費:5,000円(花材、1ドリンク込み)

*ベースにほどこしたいアレンジがあれば画材や素材をご持参下さい。
 

クリアーのガラスベースと、透明アクリルのテーブル&チェアーで構成した空間で、中村俊月氏による花材と道具のアレンジ、レクチャーにより、ガラスベースに思い思いに植物を活けこむ。水族館をつくったり、表面にペインティングしたり、ものを詰め込んだり、、自由に表現するワークショップ。クラウディオ自身も参加する。参加者は使用したベースを購入することもできる。

 

プロフィール:

中村俊月 NAKAMURA SHUNGETSU

華道家、フラワーデザイナー、SYUNKA主宰。
1975年横浜生まれ。華道・相阿弥流師範。日本とヨーロッパの美学が融けあったスタイルは、数多くの5ツ星ホテルやファッションメゾン、セレブリティの邸宅でその真価を開花させている。知識と経験に基づいた企画力とデザイン力、日本トップレベルの仕入れルートを併せ持ち、リピーターになるクライアントが絶えない。現在、白金に「SYUNKA」を構える。

 


10月12日(土)19:30〜20:30

トークセッション
『Story and Message in Design work process –
ストーリーやメッセージの込められたデザインワーク』

出演:津村耕佑(ファッションデザイナー、アーティスト)
   クラウディオ・コルッチ(本展デザイナー)
進行:住吉智恵(アートプロデューサー、ライター、TRAUMARIS主宰)

参加費:1,000円(1ドリンク込み)

 

プロフィール:

津村耕佑 KOSUKE TSUMURA


ファッションデザイナー。FINAL HOMEディレクター。武蔵野美術大学空間演出デザイン学科教授。三宅一生氏の下、パリコレクションに関わる。究極の家は服であるという都市型サバイバルウエアー「FINAL HOME」を考案する。第52回装苑賞受賞。第21回現代日本美術展準大賞受賞。第12回毎日ファッション大賞新人賞受賞。第3回 織部賞受賞。ヴェネツィア・ビエンナーレ建築展。上海ビエンナーレ展。MoMAニューヨーク近代美術館・SAFE DESIGN TAKES ON RISK展出展。「ドクメンタ13」(ドイツ・カッセル)出展。フィロソフィカル ファッション1:FINAL HOME出展。金沢21世紀美術館 デザインギャラリー出展。森美術館 開館10周年記念「LOVE」展。

 

 

 

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