終了 白井美穂「春のめちゃく茶会」

 

 

 

白井美穂 「春のめちゃく茶会」
Spring Mad Tea Party / Mio Shirai

 

会期:2013年4月3日(水)~4月28日(日)

   4月4日(木)18:00〜
   オープニング&ポエトリーイベント
   ゲスト:松井茂(詩人from シニギワ、東京藝術大学芸術情報センター助教

   *4月5日(金)、4月12日(金)の20:00以降は
    他のイベントのため白井美穂の作品はご覧になれません。
    予めご了承下さいませ。

会場:TRAUMARIS|SPACE

 

 

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Forever Afternoon 2008  ©Mio Shirai

*クレジット詳細下記


 

TRAUMARIS|SPACEでは瀬戸内国際芸術祭への参加に合わせ、白井美穂の近作をご紹介します。

2008年、イギリス・サンダーランドでのアーティスト・イン・レジデンス滞在中にハイビジョン撮影によって制作され、国内ではBankART Studio NYKで発表された短編映画「Forever Afternoon 永遠の午後」を上映し、写真作品や新作ドローイングを合わせて展示いたします。

「めちゃく茶会」とは、ルイス・キャロル作「不思議の国のアリス」の一章。
主人公である少女アリスが、気の狂った帽子屋のお茶会に同席し、三月ウサギやヤマネと共に繰り広げる、噛みあわない会話と不条理な世界のお話です。

この物語をベースにした映像作品「Forever Afternoon」は、2008-2009年、日英修好通商条約締結150周年記念の際に、イギリスと日本にて同時制作・発表されました。
 

 私が演じるアリスは、初めて島国・日本を船出し、
 欧州諸国を視察に訪れた使節の亡霊であり、
 異界で出会う他者たちと互いの像を映し合う奇妙な肖像ともいえます。

 本作の撮影は、ルイス・キャロルが実際に夏を過ごし、
 執筆を行った親族の邸宅があったウィットバーンの敷地内に、
 茶会のテーブルを置いて行われました。

 「鏡の国のアリス」に登場するチェス盤のシュルレアリスティックな世界を
 発想したと言われるヒルトン・キャッスルやトリニティ・チャーチなど、
 カメラはキャロルの足跡とその幽霊を追うように、
 イギリス北東部の自然とヨーロッパ文明との間を彷徨っていきます。

 映像では、劇中にヤマネが眠りながら語る「井戸の底の三人の少女」に
 姿形が与えられ、1つの言語がもつ複数の意味を女性たちが
 言葉通りの行為で再現し、キャロルの言語ゲームの中で起こる
 意味の分裂と統合をシンボリックに表象しながら、
 夢と現実が地続きになったような感覚を、観る者に与えます。

 (白井美穂)
 

一方、3/20より開幕する「瀬戸内国際芸術祭2013」では、「Overcome the Modernity」と題し、「鏡の国のアリス」に登場する赤の女王と白騎士の行為をモチーフにしたビデオインスタレーションを展示します。

カフェを併設したTRAUMARISでは、劇中と同じテーブルクロスがかけられたテーブルが、映画の鏡像のような茶席となり、茶会の客人として作品をご覧いただくことができます。

オープニングでは、詩人の松井茂氏をゲストに迎え、ルイス・キャロルの原文と矢川澄子の名訳の朗読をはじめとする、ポエトリーリーディングをおこないます。
また会期中には、世界にひずみをもたらす狂った帽子屋たるべきアーティストたちを招いた、不条理極まりないポエトリー&ライヴイベントも行われます。

ルイス・キャロルの描いた少女の空想世界は、大人になったつもりでいる私たちの想像領域をくすぐるように翻弄しながら、2会場を行き来いたします。

TRAUMARIS アートプロデューサー・ライター
住吉智恵



会期中のイベント第2弾!

4月20日(土)
狂った帽子屋のティーパーティ
Mad Hatters' Tea Party

出演:
建畠(京都市立芸術大学学長)
松井茂(詩人、東京藝術大学芸術情報センター助教
国広和毅  http://kunihirokazuki.com/
六弦詩人義家  http://yoshiie-kouno69.cocolog-nifty.com/blog/
queencrab(mari katayama + etoka)
http://shell-kashime.com/                 http://www.takeoyamada.net/

+オープンマイク(とびいり大歓迎!)
 

料金:
1500円(w/1 drink)+投げ銭

会場:

TRAUMARIS|SPACE
〒150-0013 渋谷区恵比寿1-18-4
NADiff A/P/A/R/T 3F 
TEL 03-6408-5522 月曜休
火〜土16:00-24:00(日曜14:00-22:00)

URL:http://www.traumaris.jp
info@traumaris.jp

 

プロフィール:

白井美穂  Mio Shirai

1988年東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻修了。1993年アジアン・カルチュラル・カウンシル日米芸術家交換プログラムにて渡米、以降2006年までニューヨーク在住。現在東京在住。
近年の展覧会に 「アーティスト・ファイル2008」 国立新美術館(東京)、 個展「Forever Afternoon」 Northern Gallery for Contemporary Art(イギリス)、BankART NYK(横浜)、2009年「第1回所沢ビエンナーレ 引込線」西武鉄道旧所沢車両工場、2011年 横浜トリエンナーレ特別連携プログラム「新・港村 小さな未来都市」、新港ピア(横浜)、個展「マジック・カーペット・ライド」ギャラリー古今(東京)、2013年 第3回東京アートミーティング「アートと音楽 共感覚実験劇場」東京藝術大学大学美術館、「瀬戸内国際芸術祭2013」宇野港エリア(岡山)等。
瀬戸内国際芸術祭では、宇野港のライブハウス「una」の外装、内部インスタレーション、ライブ企画全体を作品とし、宇野を「音と写真の町」としてExplosions(白井美穂+佐藤澄子)によるエリア企画も担当。また「あいちトリエンナーレ2013」に、「地球・爆」共作絵画プロジェクトの共同制作者として出品する。
http://www.mioshirai.com/

 

 

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Forever Afternoon 2008  ©Mio Shirai

Forever Afternoon was exhibited as part of 'A Gift to Those who Contemplate the Wonders of Cities and the Marvels of Travelling’ a sLab residency and exhibition project commissioned, curated and produced by Keith Whittle and Alistair Robinson, exhibited in collaboration with Northern Gallery of Contemporary Art and in partnership with BankART 1929, with support from The Graduate School of Film and New Media, Tokyo University of the Arts. 

Supported by Arts Council England, Daiwa Anglo-Japanese Foundation, The Great Britain Sasakawa Foundation, Central Saint Martins College of Art & Design and University of Sunderland.