會本 久美子 個展
「ただ美しい模様にみえてきた」
会期:12月8日(木)~1月22日(日)
年末年始のお休み:12月29日-1月4日
*イベントやその準備のため、展示をゆっくりご覧いただけない
時間帯がございます。イベントスケジュールをご確認ください。
ライヴ&即興ドローイング 第2弾:
1月21日(土)
ゲスト:ムーグ山本(バッファロードーター)
18:00開場 19:00開演
料金:2000円(1ドリンク&新春プレート付き)
予約:info@traumaris.jp
「震災があって以後、すごくナーバスな日を過ごしたり
そうかと思ったら能天気に外を歩いたり
また、それを後悔したり そんな風に過ごしてきました。
それを繰り返しつつ、
『どうでも暮していくんだろう』という気分があります。
相変わらず私は 少女達の仕草や
森の中の風景なんかを描いています。
自分の中にある、ストーリーにすらならないくらいの、
ささいなものをいつも描いてるんだと思います。」
(會本久美子)
初めて會本久美子の絵を見たのが、
鉄割アルバトロスケットの打ち上げの宴席で、
鉄割の役者/ミュージシャン/野犬の村上君に紹介され、
手渡された展覧会のポストカードだった。
いまでも忘れられないが、
そっけない石灰色の地に深緑がかった色鉛筆で、
目のクマや額の陰に、はっきりとしないが倦んだ感情を浮かべた
じつに不機嫌そうな2人の少女の顔だけが描かれている。
うわ。
と思ったが、なんとなく見にいかねばならない、と思った。
展示最終日の片付け2分前に駆け込んだ会場には、
そのむっつりした女の子らのドローイングもあった。
壁に散らばった、おびただしい枚数のドローイングは、
あきらめついでの小さな「ぼやき」と、
スキップ未満の小さな「きざし」が半々と、
ほんのすこしの「すごみ」がきいたものだった。
また、うわ。と思って、何枚か譲ってもらった。
その後、
劇場の書割りのように牧歌的な風景に見えて、
絵空事におさまらない、切実なヌキサシならなさが気にかかる
ペインティングも見る機会があった。
腕をぐるんと回したほどの伸び伸びした壁画や、
軽快な歩調で冥界に連れていかれそうな映像作品も、
見るたびに新緑のみずみずしさから力強さを帯びていく。
お母さんになりましたよという、うつくしい知らせと
ほぼ同時に震災と原発事故がおきて、
不安な日々を過ごしているだろうと心を痛めていたが、
より一層のびやかでキリッとした絵を描き続けていたようで逞しい