開催中「SPREAD:Life Stripe」展

 

会期:7月14日(木)~8月7日(日)

 

震災以来、目に映る風景、物事のとらえ方、嗜好さえ変化したと
打ち明ける人が多いのは、自然なことと思います。

これから社会で自分に何ができるのか。
考え続けていますが、なかなか答えがでません。
それでも立ち止まらず、できることを続けながら
皆様と生きる活力をシェアしたいと思っています。
 
TRAUMARIS|SPACEでは、
クリエイティブユニット SPREADが、2005年より継続して
制作している、さまざまな境遇の人や動物の24時間を、
ヴィヴィッドな色彩のストライプに置き換えた“生活の模様”
「Life Striipe」の初個展を開催いたします。
毎日を生きた証を示す、美しいストライプをどうぞご高覧下さい。

 
TRAUMARIS 主宰
アートプロデューサー・ライター
住吉智恵
 
 
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「SPREAD:Life Stripe」
 
会期:7月14日(木)~8月7日(日)
 
 
私たちは24時間という限りある1日を、
毎日どのようなバランスで過ごしているのでしょう?
ありふれたルーティンの日と、人生の一大イベントの日とでは
時間の流れかたはどのように違うのでしょう?
 
SPREADは、睡眠・食事・くつろぎ・仕事といった生活のシーンを
特定のカラーで示す独自のルールに従って、
おびただしい数の生活記録のサンプルを収集し続けています。
それはデザイナーやミュージシャン、ダンサーといった
周囲の友人たちのものもあれば、24時間交代の深夜タクシーのドライバー、
ネット上の仮想現実を遊泳するニート青年、激務に追われる
建築家や政治家、さらに動物園のオカピや孔雀、
ペットの猫にいたるまで、多種多様にわたります。
 
彼らがこのリサーチと制作の活動を始めたきっかけは、
知人が「引きこもり」になったことでした。
話を聞くだけでは力になれない、かといって医療に頼る前に
身近な者にできることがあるのではないか、と感じたSPREADは
「Life Stripe」の雛形をつくり、その知人と交換しはじめました。
最初は単調で味気ないパターンしか戻ってこなかったのが、
すこしずつ次の行動を起こすことへとつながっていきました。
根気よく “生活日記”  を続けるうちに、やがて友人は立ち直り、
社会復帰するまでになったといいます。
 
この出来事を通して彼らが確信したのは、
「Life Stripe」をつくることが
「毎日のLIFE(生活・人生・生命)を感じとる」ことにつながり、
生きた事実は美しいパターンを生み出すということ。
3.11以降、震災支援活動にも参加してきたSPREADは
「Life Stripe」を通して、被災地で生活する人たちの
「生きていく事実」を収集したいとも考えました。
本展では、被災地支援のボランティア活動を続ける人から
取材した「Life Stripe」の新作も発表いたします。
 
展示は、あざやかなプリントの「Life Stripe」の集積に加え、
メインとなるのは、彼らが機織り機をスタジオに導入して
制作している、麻糸から染めた手織りの大判タペストリー。
こちらは出産当日の妊婦の「人生最大のヴィヴィッドな1日」を
表現した、未来への希望に満ちたものとなります。
 
生きているかぎり、グッドラックな1日も、バッドラックな1日も
あるのが人生です。いずれの1日も「Life Stripe」のパターンに
置き換えられた瞬間から、それぞれの彩りの美しさを誇り、
そのカラーバリエーションには無限の組み合わせと、
日々変化していく可能性を秘めています。
「Life Stripe」は一見単純な色分けにすぎないようですが、
先行きの不透明な現実に生きる今の私たちにとって、
限りある人生の時間に想像力を働かせ、
人間肯定に向かうきっかけとなってくれるはずです。
 
 
 
会期:7月14日(木)~8月7日(日)
オープニング:7月15日(金)19:00-22:00
 
会場:TRAUMARIS|SPACE
   〒150-0013 渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 3F 
   TEL 03-6408-5522 
 
時間:月曜祝日休 16:00-24:00(日曜14:00-22:00)
   *会期中、イベントとその準備のため、
   展示をゆっくりご覧いただけない時間帯があります。
   webサイトでスケジュールをご確認ください。
 
 
取材・掲載のお問合せ:info@traumaris.jp (星,住吉)
 
 
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