2017年5月アーカイブ

 

 

青山健一 展「ペタペタ」
 
 
 
 
 
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会場:EARTH+ GALLERY
   〒135-0042江東区木場3-18-17 03-3630-1655
 
会期:2017年7月8日(土)〜7月23日(日)
   11:00-19:00(イベント時は22時まで) 月曜休廊
   7月8日(土)18:00〜21:00 オープニング
 
企画:住吉智恵(TRAUMARIS)
 
 
【関連イベント】
 
7 月 16 日 ( 日 ) 18:00 -
The Space Baa ライヴ
出演:不破大輔 ( 渋さ知らズ )、辰巳光英 ( 渋さ知らズ )、jimanica、青山健一
料金:3,000円+1drink order
予約:info@traumaris.jp
 
7 月 22 日 ( 土 ) 18:00 -
山フーズ × 青山健一 ワークショップ
料金:2,500円+2drink order
予約:info@traumaris.jp
 
 
 
世界を股にかけるフリージャズオーケストラ「渋さ知らズ」のメンバーであり、舞台美術家としても活躍する画家・青山健一。TRAUMARISは通称・アオケンこと青山の、2011年、2013年に続く3回目の個展を企画いたします。
会期中は、元・舞踏家のフードアーティスト・山フーズとともに独創的な料理のワークショップが開催されます。また今回も、渋さ知らズオーケストラきっての気っぷのいい男たちが、アオケンの絵の世界に引き寄せられたライヴパフォーマンスを予定しています。
 
 
 
statement
 
 
絵を描きながら、この絵がどのような壁にどのように設置されるのか?をイメージすることがある。
さらに、絵を設置された壁は、どのような建物の壁なのか、その建物はどのような地域に建っていて、その地域はどのような国の〜、と続く。
最終的に、この絵はどのような宇宙に設置されるのか?に行き着く。
なるほど。描き始めてしまった絵は、望まずともこの世界を構成するひとつの部品になるというわけだ。
自分の手によって作られる世界の部品。
それをより深く知るため、一筆ごとに撮影し、ストップモーションアニメーションを作った。
すると絵の表層には現れない色やカタチの衝突が記録されていて、それは大袈裟に言うと火山の噴火で隆起した岩が山になったり、溶け出した氷が海面を上昇させて大地を沈めたりするように見えた。
絵の下には、また別の世界が層になって記録されていた。
ふと、完成した絵にガイコツのステッカーを貼ると、大地の表層アスファルトの上をヒョロヒョロ歩く自分のようだった。
 
青山健一
 
 
 
 
プロフィール:
 
青山健一  美術家
Kenichi Aoyama  Artist
 
 
東京都出身。石川県金沢市在住。
1995年、美術家として活動をはじめる。
既存のギャラリーはもとより、廃ビル、ライブハウス、劇場、屋外公共スペースなど
様々な空間と対峙しながら絵画、映像、インスタレーションなどの作品制作を行う。
 
1997年「渋さ知らズ」に美術、映像メンバーとして参加。
以降、国内ライブや大型音楽フェス、海外ツアーまで全舞台美術制作を担当。
即興性を重視した独自の映像パフォーマンスで様々な表現者とのコラボレーションライブを多数発表。
 
BEAMS T、geewhizなどアパレルへのイラスト提供、書籍装画、絵本、オリジナルアニメーションや近藤良平やスズキ拓朗をはじめとするパフォーマーの舞台美術、映像など様々な活動を展開している。2012年に絵本「あした、せかいが」(文:三角みづ紀/絵:青山健一)を上梓。大地の芸術祭2012、中房総国際芸術祭2014に舞台美術、映像作品で参加。
 
 
 
企画者より
 
 
2011年は、震災後の不安と憤懣の日々、なぜか心に響いた酔いどれ詩人チャールズ・ブコウスキーのぶっきらぼうでやけっぱちな言葉を、青山健一の絵画展に織り込むことを試みた。
2013年は、作家の分身ともいえるガイコツが、清々しいほど荒涼とした風景に「ポツネン」と立ち尽くす、その無欲な 空洞感に訪れる人を迎え入れた。
そして2017年、彼は相も変わらず毎日絵を描き続け、音楽やダンスの朋友たちと舞台を創作している。
本展では、画家の発想は、この世界を構成するひとつの部品であるともいえる自身の絵画から出発し、果てしなくマクロに膨張していった。
絵画の成り立ちを知るため、一筆ごとに描く過程を撮影するストップモーションアニメーションを制作。そこから、ペタペタと絵の具を塗っては画竜点睛のごとく貼り付けるステッカー(のガイコツ)が織りなすレイヤー、ひいては世界の表層と深層との関係性にまで想像を広げながら、あくまで創作の基点は説明不要の現在地に立脚する。かけひきのないこの正直さこそ、青山独自の制作態度といえるだろう。
ここで企画者はあえて曲解して、ふたたびブコウスキーの言葉に立ち返った。
 
政治を信じる人々は
神を信じる人々に似ている。
かれらは曲ったストローで風を吸っている。
『ブコウスキー詩集』より
 
世界の表層から深層へと風が吹き抜けるとき、不透明な政治や権力により捻じ曲げられた規制という後付けの通り道は、時として流れを変え、実相を歪曲させる。表層からは見えない、世界を構成する部品のひとつひとつに、その風は届かない。アスファルトの上でいくら 足腰を鍛えたとしても、世界は息のしづらいままだ。
いまここに必要なのは風が通り抜ける空洞だ。
青山健一の絵画は何も語らないが、その視線は物事の本質に向かってまっすぐに孔を穿つ実直さで、我々の背をそっと押す。
 
 
住吉 智恵 Chie Sumiyoshi
TRAUMARIS アートプロデューサー・ライター
 
 
 
 
 
 
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開催概要
 
■展覧会タイトル 青山健一 展「ペタペタ」
■会場 EARTH+ GALLERY
■会期 7/8(土)~7/23(日)
■休館・休廊日 月曜日
■開館時間 11:00〜19:00(イベント時は22:00まで)
■住所 〒135-0042江東区木場3-18-17
■アクセス 東西線木場駅より徒歩7分、半蔵門線・大江戸線清澄白河駅より徒歩15分
■TEL 03-3630-1655
■ URL http://earth-plus.net/
■ 取材・問合せ:info@traumaris.jp
 
 
参考映像/渋さ知らズのライヴ用に編集されたものです。